Cabos

Cabos（カボス）は、Gnutellaネットワークに対応した、日本製のファイル共有ソフトウェアです。このソフトウェアは、GPL（GNU General Public License）の下で公開されており、オープンソースとして利用可能でした。

概要

Cabosは、そのネットワークエンジンとしてLimeWire（ライムワイヤー）を基盤としていました。LimeWireはJavaで開発されていたため、初期のMac OS X環境下では、Javaの性能がまだ十分でなく、グラフィカルユーザーインターフェース（GUI）の動作が遅いという課題がありました。この問題を解決するために、CabosではGUI部分にREALbasic（現Xojo）という開発ツールを使用しました。

GUIのデザインは、Mac OS X用のGnutellaクライアントソフトウェアであるAcquisition（アキュイジション）を参考にしました。REALbasicを採用したことで、Mac OS版の開発がスムーズに進み、その後Windows版への移植も比較的容易に行われました。

Cabosは、多くの言語に対応し、2010年時点では世界28の言語に翻訳されていました。これにより、国際的にも利用されていたことがわかります。

しかし、2012年には、LimeWireとFrostWireのホストキャッシュサーバーが停止したことを受け、Cabosのソフトウェア配布も中止されました。これにより、Cabosは新規に利用することが困難になりました。

日本国内における違法性を巡る出来事

Cabosやその基盤であるLimeWireは、その匿名性やファイル共有の性質から、著作権侵害や児童ポルノの共有など、違法行為に利用されるケースが多数ありました。以下は、日本国内で発生した主な逮捕事例です。

2006年7月：LimeWireを利用して漏洩した個人情報を入手し、不正アクセスを行ったとして男性が逮捕されました。
2008年11月：LimeWireを使用して児童ポルノを共有したとして男性が逮捕されました。
2009年11月：CabosおよびLimeWireを使用して児童ポルノを共有したとして、10名の男性が逮捕されました。
2009年11月：LimeWireを利用してわいせつな動画を共有したとして男性が逮捕されました。
2009年12月：Cabosを利用して児童ポルノを共有したとして男性が逮捕されました。
2010年1月：CabosおよびLimeWireを利用して児童ポルノを共有したとして、48名の男性が逮捕されました。
2010年2月：Cabosを利用して音楽ファイルを共有したとして男性が逮捕されました。
2013年10月：Cabosを利用して音楽ファイルを共有・公開した福岡県の男性が、熊本県警のサイバー犯罪対策室などにより送検されました。

これらの事件から、ファイル共有ソフトウェアが違法コンテンツの拡散や著作権侵害に利用される危険性が明らかになりました。Cabosは開発が終了したソフトウェアですが、これらの事件は、インターネット上でのファイル共有における注意喚起として、重要な教訓となっています。

脚注

LimeWire/Cabos クローラによる調査 (外部リンクは例として仮のURL)

ネット著作権侵害対策(Winny/Share/Cabos) - 株式会社クロスワープ/CROSSWAR (外部リンクは例として仮のURL)

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