Cheek II

アン・ルイスのカバーアルバム『CheekⅡ』は、1982年2月21日にビクターレコードからリリースされました。前作『Cheek』の成功を受けて制作された本作は、アン・ルイスの新たな魅力を引き出す選曲とアレンジが施されています。

収録曲の中でも特に注目されるのは、大瀧詠一が作詞・作曲を手掛けた「夢で逢えたら」のカバーです。この曲は元々アン・ルイスのために書かれたものの、当時は彼女の音楽スタイルに合わないと判断され、商品化が見送られていました。『CheekⅡ』において、アン・ルイスは「DREAMS」というタイトルで英語詞でこの曲を歌い、遂に日の目を見ることになったのです。

アルバムのアレンジは、前田憲男と宮川泰という日本を代表するアレンジャーが担当しています。彼らの手によって、原曲の良さを活かしつつ、アン・ルイスならではの個性的な表現が加えられています。

また、ジャケット写真にも注目が集まりました。アン・ルイス自身が所有するソファーが使用され、原宿の洋品店からヒョウ柄の布を分けてもらい、自らカバーを作り直したというエピソードがあります。彼女のこだわりが詰まったジャケットも、アルバムの魅力を引き立てています。

『CheekⅡ』は、アン・ルイスの音楽的な幅広さと表現力を堪能できる作品であり、彼女のディスコグラフィーの中でも重要な位置を占めています。カバーアルバムという形態を通して、彼女自身の音楽性を深く掘り下げ、新たな魅力を開花させた一枚と言えるでしょう。

もう一度検索