Cook Codec

Cook Codecは、RealNetworks社が開発したプロプライエタリな非可逆音声ファイルフォーマットです。このフォーマットは、Cooker、Gecko、RealAudio G2、RealAudio 8 low bitrate (RA8LBR)といった別名でも知られています。

1998年に発表されたCookは、RealNetworks社が初めて自社開発した音声フォーマットであり、開発者であるKen Cookie氏の名前にちなんで「Cook」と名付けられました。このフォーマットは、G.722.1をベースにしているとされており、単一ブロックサイズの修正離散コサイン変換を改変したものです。初期のCookは主にモノラルやステレオの音声データに対応していました。

2003年には、RealNetworks社はサラウンド音声に対応したバージョンのCookを発表し、RealAudio Multichannelと名付けました。当初、このサラウンドバージョンは"whrl"というFourCC識別子を持っていましたが、後に通常の（モノラルまたはステレオの）Cookと同じ"cook"が使用されるようになりました。これにより、従来のCookとサラウンド対応のCookが同じ識別子で扱われることになりました。

RealNetworks社は、Cookに関する技術的な詳細情報を公開していません。そのため、フォーマットの詳細な構造は長らく不明確なままでした。しかし、リバースエンジニアリングによってフォーマットの解析が進められ、2005年12月にはFFmpegのlibavcodecライブラリがCookでエンコードされたファイルを再生できるデコーダーを搭載しました。これにより、オープンソースの環境でもCook形式の音声ファイルの再生が可能になりました。さらに、2009年7月には、ポータブルメディアプレーヤー向けのファームウェアであるRockboxもCook形式の音声ファイルの再生に対応しました。これにより、より多くのデバイスでCook形式の音声ファイルが利用できるようになりました。

Cook Codecは、技術仕様が非公開であるにもかかわらず、リバースエンジニアリングによる解析やオープンソースプロジェクトの貢献により、広く利用されるようになりました。現在では、RealNetworks社の製品だけでなく、様々なメディアプレイヤーやソフトウェアで再生することが可能です。

関連項目

RealAudio

脚注

特になし

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