Corel Paint Shop Pro

PaintShop Pro：多機能画像編集ソフトウェア

PaintShop Proは、Corel社が開発・販売するWindows向けの画像編集ソフトウェアです。PSP、ペイントショップなどとも略称され、写真編集、画像加工、イラスト制作など、幅広い用途で活用されています。レイヤー機能、フィルター、様々なファイル形式のサポートなど、グラフィックソフトに必要な機能を網羅しています。JPEG、PNG、TIFF、PSDなど50種類以上のファイル形式に対応し、高い互換性を誇ります。標準のファイル形式はpspimageです。

歴史

PaintShop Proの起源は、Robert Voit氏によって1991年に公開された画像コンバータ「Paint Shop」です。その後、Jasc Software社が法人化し、1992年にはシェアウェアとして最初のPaintShop Proがリリースされました。2004年にCorel社がJasc Software社を買収し、以降Corel社が開発・販売・サポートを行っています。日本においては、複数の代理店を経て、現在はコンシューマ向けはソースネクスト社、法人向けはCorel社が販売・サポートを担当しています。

しばしばAdobe Photoshopと比較されますが、Corel社はPaintShop Proのターゲットを「デジタルイメージングを楽しんでいる人たち」、Photoshopのターゲットを「デジタルイメージングで仕事をする人たち」として、明確にターゲット層を区別しています。

主な機能

PaintShop Proは、初心者から上級者まで幅広く使用できるよう、初心者向け機能と高度な機能をバランスよく備えています。

基本機能

カスタマイズ機能: ショートカットキーのカスタマイズ、ツールバーの項目の追加・削除など、ユーザーインターフェースを自由にカスタマイズできます。
トーンカーブ、ヒストグラム: 画像の色調を詳細に調整する機能です。
ペイントツール、図形ツール、テキストツール: 画像への描画、図形の作成、テキストの追加など、基本的な編集機能が充実しています。
背景補完機能: 不要なオブジェクトを削除する際に、背景を自然に補完する機能です。
履歴パレット: 最大1000件までの編集履歴を記録・表示し、必要に応じて過去の状態に戻したり、スクリプトを作成・適用できます。
HDR合成機能: 多重露光画像を合成して、ダイナミックレンジの広い画像を作成する機能です。
選択範囲の極細ブラシ: 微細なオブジェクトの選択や合成に便利なブラシです。

初心者向け機能

ラーニングセンター: ソフトウェアの機能を解説するヘルプシステムです。
写真ワークスペース: 写真編集に特化したワークスペースです。
メイクオーバーツール: シミ補正、歯の白化、赤目補正、日焼け補正、スリム化など、人物写真の修正に便利なツールがまとめられています。

スクリプト機能

Pythonを含むスクリプト言語を使用して、作業を自動化できます。編集履歴からスクリプトを作成することも可能です。

RAWデータ対応

PaintShop Proは、多くのデジタルカメラのRAWデータに対応しています。バージョンアップごとに対応機種は増加しており、最新のバージョンでは数百機種に対応しています。

プラグイン

PaintShop Proは、Corel社製のプラグインだけでなく、一部Photoshop用プラグインにも対応しています。また、KPTフィルターなどのプラグインも提供されています。

ブラシ機能

PaintShop Proは、ペイントブラシ、ピクチャーチューブ、アートメディアツールなど、様々な種類のブラシを搭載しています。また、ブラシの混合などを制御するミキサーパレットも搭載されています。

バージョン履歴

PaintShop Proは、1992年のバージョン1.0以来、継続的にバージョンアップを重ね、機能強化が図られてきました。各バージョンにおける主な機能追加や変更点については、非常に多くのバージョンが存在するため、本稿では割愛させていただきます。興味のある方は、公式ウェブサイトなどの資料を参照ください。

廉価版・関連書籍

PaintShop Proには、廉価版としてLite版やPersonal版などが存在しました。また、PaintShop Proの使い方を解説する書籍も多数出版されています。

まとめ

PaintShop Proは、長年にわたり進化を続け、初心者からプロまで幅広いユーザーに対応できる、多機能で高性能な画像編集ソフトウェアです。豊富な機能と高い互換性、そして手頃な価格で、多くのユーザーに支持されています。

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