Cosmos (ブロックチェーン)

Cosmos（コスモス）は、異なるブロックチェーン間の相互運用性を実現するためのブロックチェーン・プラットフォームです。開発は「All in Bits Inc（Tendermint社）」が主導しています。Cosmosは、異なるブロックチェーンが分散型の仕組みでお互いに通信できるネットワークを構築することを目指しており、これを「Internet of Blockchains（ブロックチェーンのインターネット）」と表現しています。

Cosmosの仕組み

Cosmosの中核となるブロックチェーンは「Cosmos Hub（コスモスハブ）」と呼ばれ、コードネームは「Gaia」です。これは、互換性を持つブロックチェーン（ZONE）の中央台帳として機能します。Cosmos Hubでは、ネイティブ通貨として「ATOM」が使用されます。

各ブロックチェーンが集まるネットワーク全体は「Cosmos network（コスモスネットワーク）」と呼ばれます。Cosmos networkでは、「Inter-Blockchain Communication protocol（IBC）」という規格を用いてブロックチェーン間の通信が行われます。また、ZONEを開発するためのツールとして「Cosmos SDK」が提供されています。

ATOMについて

ATOMは、Cosmosネットワークにおけるトランザクション手数料の支払いや、ステーキングによる報酬の受け取りに使用されます。さらに、ATOMの保有者は、その残高に応じてCosmos Hubの運営に関する投票に参加することができます。これにより、Cosmosネットワークのガバナンスに貢献することができます。

IBC（Inter-Blockchain Communication protocol）

IBCは、ブロックチェーン間のデータ転送と認証、信頼性を処理するための通信プロトコルです。このプロトコルは、ネットワークにおける標準的な通信プロトコルであるTCP/IPをモデルとして設計されています。これにより、異なるブロックチェーン間での安全かつ信頼性の高い通信を可能にしています。

Cosmosの歴史

Cosmosの歴史は、2014年にJae Kwon氏とEthan Buchman氏によって「Tendermint」の開発が始まったことから始まります。Tendermintは、中央管理者のいないネットワークで合意形成を行うための方法を提供するものでした。

2016年には、Cosmosのホワイトペーパーが発表され、Cosmosの開発を支援する「Internetchain Foundation（ICF）」という財団が設立されました。2017年には、ICFがICO（Initial Coin Offering）を実施し、およそ1,700万ドル（約19億円）の資金調達に成功しました。

2019年には、Cosmos Hubが正式にローンチされ、2021年3月にはIBCの機能が有効化されました。2021年10月には、テストチェーンである「Sagan」の立ち上げと、DeFiプラットフォーム「Emeris」およびブロックチェーンゲーム会社「Forte」との提携が発表されました。

まとめ

Cosmosは、ブロックチェーン技術の相互運用性という課題に対して、革新的なアプローチを提供しています。独自のコンセンサスアルゴリズムや通信プロトコルにより、異なるブロックチェーンが連携し、より大きなエコシステムを形成することを目指しています。これにより、ブロックチェーン技術の可能性をさらに広げることが期待されています。

Cosmos（英語）

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