Cowgirl Dreamin'

アルバム『Cowgirl Dreamin'』の紹介

松任谷由実（ユーミン）のオリジナルアルバム『Cowgirl Dreamin'』は、1997年2月28日に東芝EMIからリリースされました。これは彼女の28枚目のオリジナルアルバムであり、同年の初めから5月にかけて行われたコンサートツアー『Strollin' Cowgirl』とも関連性があります。アルバムはCDとカセットの両方でリリースされ、カセット盤の発売はこの作品が最後となりました。

このアルバムは、1983年から続いていた年末のオリジナルリリースの流れを変えるもので、1996年はライブアルバムがリリースされたため、翌年の2月に新作が披露される形になりました。ユーミンサウンドはこれまでのスタイルとは異なり、ロック色が強まったことが大きな特徴です。特にロサンゼルスから招いた5人のギタリストによるアレンジが効果的で、アルバムのオープニングもギターのカッティングからスタートします。

過去の作品ではシンセサイザーに依存していたストリングスも、今回はLAで生録音を実施し、本格的なクオリティを追求しました。そのため、ミュージシャンクレジットも増え、音質やミキシングに工夫が凝らされています。これまでのどっしりとしたスタジオ音から一転、サラウンド効果を生かした軽快で開放感のあるライヴ感あふれるミキシングに仕上げられています。

収録曲とその特徴

このアルバムに収録されている楽曲の中でも特に注目すべきは、「ありのままを抱きしめて」や「告白」です。「ありのままを抱きしめて」は、メイクで武装し、再会を望む男性に向かう決意が描かれた内容で、ユーミン自身の知性と野生のバランスを表現しています。この曲は1997年の三菱自動車「RVキャンペーン」のCMソングとしても使用されました。

一方、「告白」は同性愛者のカミングアウトをテーマにしたもので、ドラマ『Shin-D』の主題歌として注目を集めました。さらに、そのシングルのカップリングとして収録されている「Moonlight Legend」や、豪華なメンバーによる演奏が際立つ「別れのビギン」など、多彩な楽曲が揃っています。

参加アーティスト

このアルバムでは、多くの著名なアーティストが参加しています。キーボードには松任谷正隆、ドラムにはJohn Robinsonが参加しており、エレクトリックギターにはMichael LandauやPaul Jackson, Jr.などが名を連ねています。このように豪華なキャストによって、作品全体が生み出されており、リスナーを魅了します。
また、バックボーカルには松任谷由実本人が参加しているほか、豊かなサウンドエフェクトやストリングスのアレンジも特徴的です。

総評

『Cowgirl Dreamin'』は、松任谷由実のキャリアにおいて重要な転機を示す作品であり、新たな音楽的探求がなされています。これまでの彼女の音楽に新たな息吹を吹き込み、リスナーにライブ感と新鮮な感覚を届けることに成功しました。永続的な魅力を持つこのアルバムは、ユーミンファンだけでなく、広く音楽愛好家に聴かれるべき傑作です。

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