Crystal LED Display

Crystal LED Display (CLD) とは

Crystal LED Display (CLD) 、または CLED とも呼ばれるこのディスプレイ技術は、ソニーによって開発され、2012年に初めて発表されました。最大の特徴は、従来の液晶ディスプレイとは異なり、画素そのものがLEDによって構成されている点です。これにより、自発光型のディスプレイを実現しています。

技術概要

CLDは、バックライトを使用する液晶ディスプレイとは根本的に異なります。画素に無機化合物を使用している点は無機EL（ILED）と共通していますが、画素の構造や発光メカニズムはLEDと同様です。ソニーは、微細なLEDを高度な技術で精密に配置することで、従来のディスプレイにはない高い性能を実現しました。

2012年のCESで発表された試作機では、55インチのフラットパネルに約600万個（1920×1080×RGB）の微細なLEDが搭載されました。このディスプレイは、測定限界を超えるコントラスト比、180度の広い視野角、液晶ディスプレイの1.4倍の色域を誇り、消費電力はプラズマテレビの半分以下という驚異的な性能を示しました。ソニーは、この技術を支えるために、極小LEDを高速かつ高歩留まりで規則正しく並べる独自の生産技術を開発しました。

開発と製品化の経緯

2012年の発表当初、CLDの発売時期は未定でした。しかし、その後の開発は着実に進められ、2013年のIFAではユニット形式による大型化が視野に入っていることが示唆されました。2014年のCESでは、有機ELディスプレイと並行して研究開発が進められていることが発表され、同年6月の定時株主総会では、CLDについて「新たなディスプレイのあり方を研究開発している」と前向きな姿勢が示されました。

そして、2016年5月19日、Crystal LED Displayを基盤とした技術であるCLEDISを利用したディスプレイシステムが、2017年1月から3月にかけて発売されることが発表され、ついに製品化へと至りました。

Crystal LED Displayの主な特徴

自発光型: 画素自体が発光するため、バックライトが不要で、高いコントラスト比と真の黒を表現できます。
広視野角: 180度の広視野角を実現し、どこから見ても色の変化が少ないです。
広い色域: 液晶ディスプレイを上回る色域を持ち、より鮮やかでリアルな色彩を再現します。
高コントラスト比: 従来のディスプレイでは実現できなかった非常に高いコントラスト比を実現し、映像の奥行きとリアリティを高めます。
低消費電力: プラズマテレビと比較して、消費電力を大幅に削減します。

まとめ

ソニーのCrystal LED Displayは、従来のディスプレイ技術を凌駕する革新的な技術です。画素そのものが発光する自発光型ディスプレイとして、高画質、広視野角、広い色域、低消費電力を実現しています。開発当初から多くの注目を集め、ついに製品化されたCLEDISは、今後のディスプレイ技術の進化を牽引する存在として期待されています。

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