Cuil

Cuil（クール）は、かつてインターネット上に存在した検索エンジンです。Googleの元エンジニアであった、トム・コステロ（CEO）、アンナ・パターソン（社長）、ラッセル・パワー（技術担当副社長）によって設立されました。

2008年7月28日にサービスを開始しましたが、2010年9月17日にサービスを停止しました。サービス終了後、Cuilがクロールして収集したデータ、2007年と2008年の一部期間の合計310テラバイト分は、インターネットアーカイブに寄贈されています。これは、当時のインターネットの状況を記録する貴重な資料となっています。

2014年には一時的にサービスが再開されましたが、現在では利用できません。

「Cuil」という名前は、古代アイルランド語で「知識」を意味する言葉に由来しています。これは、検索エンジンが提供するべき価値を象徴しており、創業者の知識への強い思いが込められていたと考えられます。

Cuilは、その技術的な背景から、Googleの競合となりうる存在として期待されましたが、残念ながら短期間でサービスを終了することとなりました。しかし、その技術の一部や収集したデータは、インターネットの歴史を語る上で重要な役割を果たしており、インターネットアーカイブを通じて後世に伝えられています。

Cuilのサービス停止は、検索エンジン業界における競争の激しさを物語る出来事の一つと言えるでしょう。また、インターネットアーカイブのような団体が、失われつつあるデジタル情報を保存する重要性を再認識させる事例ともなっています。

外部リンクとして、Cuilのアーカイブページがポルトガル語で残されています。これは、サービスが世界中で利用されていたことを示唆しており、Cuilの技術が広範囲に影響を与えていたことが伺えます。

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