DARPAロボティクス・チャレンジ

DARPAロボティクスチャレンジ

DARPAロボティクスチャレンジは、アメリカ国防総省の機関である国防高等研究計画局（DARPA）が主催する、災害救助用ロボットの競技大会です。この大会の目的は、人間が立ち入ることが困難な過酷な災害現場で活動できるロボットの開発を加速させることにあります。

大会の概要

この大会は、ロボットの災害対応能力を試すために、複数の課題が設けられています。参加チームは、これらの課題をクリアするために、高度なロボット技術を駆使して競い合います。大会は予選と本戦に分かれており、予選を通過したチームが本戦に進出します。

予選（2013年）

2013年12月20日から21日にかけて、アメリカ・フロリダ州で予選が開催されました。16チームが参加し、がれきの除去や車両の運転など、8つの異なる課題でロボットの能力が試されました。この予選では、東京大学発のロボットベンチャーであるSCHAFTが首位で通過しましたが、その後Googleに買収されたため、本戦への出場は辞退することとなりました。

本戦（2015年）

2015年6月5日から6日にかけて、アメリカ・カリフォルニア州で本戦が開催されました。本戦には25チームが参加し、そのうち5チームが日本からの参加でした。競技は、1時間という制限時間の中で、4チームが同時に異なるトラックで課題に挑戦する形式で行われました。

本戦の課題

本戦では、以下の8つの課題が課せられました。

1. 車の運転：ロボットが車両を運転する能力を試す。
2. 車から降りる：車両から安全に降りる能力を評価する。
3. ドアを開けて建物に入る：ドアを開けて建物内に侵入する能力を測る。
4. 壁の弁を開ける：壁に取り付けられた弁を操作する能力を試す。
5. 電動ノコギリで壁に穴を開ける：電動工具を使い、壁に穴を開ける能力を評価する。
6. 事前告知なしのタスク：
1日目：スイッチの切り替え
2日目：コンセントの引き抜き
7. 瓦礫乗り越え：瓦礫の山を乗り越える能力を試す。
8. 階段を上る：階段を上る能力を評価する。

これらの課題は、災害現場でのロボットの活動を想定しており、ロボットの総合的な能力が試される内容となっています。

試合結果

2015年のDARPAロボティクスチャレンジでは、日本勢のロボットは最高10位と苦戦しました。その中で、韓国科学技術院（KAIST）によって開発された二足歩行ロボット『HUBO＋（DRC-HUBO）』が、全ての課題を成功させ、最高タイムで優勝しました。

『HUBO＋（DRC-HUBO）』は、既存のロボットであるHUBO（ヒューボ KHR-4）をベースに、DARPAロボティクスチャレンジのために大規模な改造を施したロボットです。外観は既存のHUBOを維持しつつ、内部の電装系はほぼ新規開発に近い内容となっており、大幅な性能向上が図られています。

まとめ

DARPAロボティクスチャレンジは、災害救助ロボットの技術開発を推進する上で重要な役割を果たしています。この大会を通じて、ロボットの性能向上が図られ、将来の災害現場での活躍が期待されています。

外部リンク

2015年度のルール
2015年度の競技の様子 - YouTube
* 2015年度の競技の様子 - YouTube

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