DEVGRU

DEVGRUの概要

DEVGRU（Development Group）は、アメリカ海軍の特殊部隊であるNavy SEALsから派生した独自の対テロ部隊です。正式名称はアメリカ海軍特殊戦開発グループで、発足当初はSeal Team 6という名称で親しまれていました。1979年のイランアメリカ大使館人質事件を受けて、あらゆる海上テロ事件に迅速に対応するために創設されました。1987年には現在の名称に改称し、バージニア州ダムネックに本部を構えています。DEVGRUは、アメリカ海軍特殊戦コマンドの指揮下にあるものの、作戦には統合特殊作戦コマンド（JSOC）の指揮を受けるため、SEALsとは異なります。

発足の経緯

DEVGRUの設立は、従来のテロリスト対策部隊の限界を認識した結果です。1978年から存在していたNavy SEALsのチーム1とチーム2には、対テロユニットが試行されていましたが、実際の事件での失敗から運用する組織として新たなユニットが必要とされました。元チーム2の指揮官であるリチャード・マルシンコが任命され、チーム6の設立に向け人材の選定が進められました。ここに選ばれた隊員たちは実戦経験や体力量、射撃スキル、言語能力などの基準で厳しく選考されたのです。

初期の訓練は非常に厳しく、年間365日、休暇は僅か2回に制限され、様々なテクニックが実戦を想定して行われました。特に射撃訓練は極めて厳格で、時には一日で数千発を発射することもありました。

入隊資格と選抜過程

DEVGRUに入隊するためには、首先Navy SEALsの隊員である必要があり、さらに5年以上の勤務経験が求められますが、稀に特別な例外も存在します。選考は非常に競争が激しく、数ヶ月にわたる厳しいトレーニングに耐えうる者のみが残るため、多くの候補者が脱落します。

参加した主な作戦

DEVGRUは数多くの重要な作戦に参加してきました。1983年のグレナダ侵攻では、スクーン総督救出作戦などを展開。その後も、アキレ・ラウロ号のハイジャック事件（1985年）、モガディシュの銃撃戦（1993年）、アフガニスタンとイラクでの戦闘に関与し、特に有名なのは2011年に行ったウサーマ・ビン・ラーディンの殺害作戦です。このように、DEVGRUは数々の困難な任務を遂行し続けています。

不祥事とその影響

一方で、DEVGRUは不祥事にも巻き込まれています。特に2010年には誤って人質を殺害する事件が発生し、また2017年には隊員が死亡する事件が起こりました。これにより、部隊の信頼性や倫理について疑問が持たれることとなります。

メディアでの描写

DEVGRUの活動は映画やテレビドラマにも登場し、影響力を持っています。映画『ゼロ・ダーク・サーティ』や『ブラックホークダウン』、ドラマ『SEAL Team』ではその任務と危険な実態が描かれています。

現在の活動

DEVGRUは依然として活発に対テロ作戦を行っており、最近では2023年にスーダンからの退避作戦に成功しました。今後も、テロとの戦いにおける重要な役割を果たす部隊として注目されています。

もう一度検索