DFA (MLB)

DFA（譲渡指定）について

DFAとは、「Designated for assignment」の略で、メジャーリーグベースボール（MLB）で使用される契約上の用語です。このプロセスにおいて、球団は選手を40人ロースターから外し、他の球団に譲渡できる状態にします。直訳すれば「譲渡指定」となりますが、この手続きは必ずしも選手を解雇または放出することを目的としているわけではありません。DFAは1976年からアメリカのメディアで用いられ、現在に至るまで広く認識されています。

DFAの目的

MLBでは、各球団に与えられる選手の枠は最大で40人となっており、新たに選手を加えたい場合には、既存の選手をこの枠から外す必要があります。また、アクティブ・ロースター（試合に出場可能な選手の登録枠）は通常26人ですが、特定の選手をこの枠から外したい場合、その選手が持つマイナー降格拒否権などの条件によっては、40人枠からも外さなければなりません。その際にDFAが用いられ、選手の移籍や契約の見直しが行われるのです。

DFA手続きの流れ

DFAの措置がとられると、MLB機構を通じて公にアナウンスされ、その後7日以内に球団は必要な手続きを行わなければなりません。この期間中、DFAされた選手はMLBやマイナーリーグの公式戦に出場することはできません。主な手続きには以下の選択肢があります。

1. ウェイバー公示（Outright Waivers）
通常、この方法が採られます。他球団が興味を示すと、選手はその球団に移籍し、契約内容をそのまま継続することになります。

2. トレード
他の球団との交渉が成立した際に移籍を果たします。ただし、選手にトレード拒否権がある場合、選手の同意が求められます。

これらの手続きが行われない場合、次の2つの選択肢が提示されます。

• - マイナー契約

選手と改めてマイナー契約を結ぶことで、傘下のマイナーリーグチームに残ることが可能です。ただし、3年以上のサービスタイムがある選手や、過去にOutright Assignmentを経験した選手はこの契約を拒否する権利があります。

• - 自由契約

球団がマイナー契約を提示しなかったり、選手側が契約を拒否した場合、選手は自由契約となります。

また、選手は自ら引退を申し出ることも可能です。

契約年俸の支払いについて

DFAによって選手が40人枠から外れた場合でも、球団は契約期間中の年俸を支払う義務があります。ただし、複数年契約を結んでいる選手がマイナー契約を拒否し自由契約を選択した場合、契約の支払い義務はなくなります。さらに、2023年時点の労使協定では、年俸調停を経て年俸が決定された選手について、自由契約となった場合の年俸は保障されないことが明記されています。

このようにDFAは、MLBの契約管理における重要な手続きであり、選手の誕生と消失に大きくかかわっていると言えるでしょう。

もう一度検索