DFA (MLB)

DFA（譲渡指定）に関する詳細

DFA、すなわち「Designated for Assignment」は、メジャーリーグベースボール（MLB）における特定の契約措置を指します。これは、選手を球団の40人枠から外し、他の球団に譲渡する準備を整えるという重要なプロセスです。DFAが用いられる背景や手続きについて、以下で詳しく述べます。

1. DFAの背景

MLBでは、各球団が契約できる選手の数は最大40人に制限されています。また、アクティブ・ロースターには通常、26人の選手が登録されており、試合に出場できる選手がこの中に含まれます。新しい選手を加えるためには、既存の選手を40人枠から外さなければなりません。この場合、DFAが行われることがあります。日本語で「譲渡指定」と訳されるDFAは、選手が必ずしも解雇されるわけではなく、さまざまな選択肢が用意されています。

2. DFAの手続き

DFAが行われると、MLB機構を通じてこの情報は公示されます。その後、球団は選手に対して必ず7日間以内に以下のいずれかの手続きをする必要があります。この期間中、該当選手はMLB及びマイナーリーグの公式戦に出場することはできません。

2.1 ウェイバー公示

通常、選手はウェイバー公示の手続きが行われます。この公示期間中に他球団がその選手の獲得を希望すれば、選手の契約条件をそのまま引き継いで移籍できることになります。これにより、選手は新たなチームの40人枠に登録されることになります。

2.2 トレード

他球団との交渉が成立した場合には、選手はトレードとして移籍することが可能です。ただし、この手続きには選手側の同意が必要です。

2.3 マイナー契約

ウェイバー公示やトレードが成立しなかった場合には、選手と再びマイナー契約を締結し、選手がマイナーリーグに残ることになります。ただし、3年以上のプロ経験がある選手や過去にOutright Assignmentされた選手は、この契約を拒否する権利があります。

2.4 自由契約

マイナー契約の申し出がない場合や選手がこれを拒否した場合、その選手は自由契約となります。これにより、選手はどのチームとも契約する自由があります。

2.5 引退

自由契約とは異なり、選手自身が引退することも可能です。

3. 契約義務について

DFAの手続きにより選手が40人枠から外れた場合でも、元の球団には契約に基づく年俸の支払い義務が残ります。ただし、複数年契約を結んでいる選手がマイナー契約を拒否してFAを選択した場合には、既存の契約に基づく支払い義務は消滅します。さらに、労使協定に基づいて、自由契約日の以降に決められた年俸には保証がないことも留意すべき点です。ウェイバーを通過した後に自由契約となった選手については、獲得した球団は最低限の年俸負担のみを行うことになります。

4. 結論

DFAは、MLBにおける複雑で重要な契約手続きの一つです。選手が外れた後も球団は一定の契約上の義務を負うため、球団側の意思決定には注意が必要です。このプロセスを知ることで、ファンや関係者は選手移籍に関する理解を深めることができるでしょう。

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