DFS 346

DFS 346について

DFS 346は、第二次世界大戦中にドイツで計画されたロケット実験機です。このプロジェクトは、終戦時点で未完成でしたが、戦後にソビエト連邦によって接収され、そこでの開発が続けられました。設計を担ったのは、ドイツ滑空機研究所のフェリックス・クラハト氏です。

設計と目的

DFS 346は、特に大型機から切り離して使用する方式を想定しています。具体的には、ドルニエ Do 217などの母機から空中で分離された後、ロケット推進によりマッハ2.6まで加速することが計画されていました。この高度な速度で滑空しながら、偵察用の写真撮影を行うことが目的でした。

ソビエトによる開発継続

1945年の終戦後、DFS 346はソビエト連邦に接収され、1946年10月22日にはOKB-2（後のラドゥガ設計局）での開発が始まりました。この局では、設計と技術の進化に向けてさらなる研究が行われました。特に、接収されたボーイング B-29からの技術吸収も重要なポイントとなっていました。

試作機の組み立てと飛行試験

1947年、DFS 346の試作機が完成します。この試作機は、ソビエトによって取得されたボーイング B-29から切り離されて、複数の滑空試験が行われました。飛行試験は1951年まで続き、同年の8月13日には、エンジンの一部を使用した飛行も実施されました。

事故と計画の中止

1951年9月、さらなる飛行試験が行われましたが、900km/hに加速している最中に機体が操縦不能に陥りました。パイロットは緊急脱出を余儀なくされ、この試験により機体は失われてしまいます。この事故を受けて、DFS 346の開発は中止され、その後の計画はBisnovat 5という新しいプロジェクトに引き継がれました。

関連項目

この機体の特徴や歴史を織り交ぜて、音の壁を打破する試みや、X-1航空機のような他の重要な実験機と関連づけることで、航空技術の進化を感じ取ることができます。DFS 346は、単なる実験機としてだけでなく、戦時中の技術と戦後の技術革新の橋渡しをする存在でした。

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