DJ BAKU

DJ BAKU：ヘヴィーなサウンドと独自の世界観でシーンを彩るアーティスト

DJ BAKUは、日本のヒップホップシーンにおいて独自の地位を築く、著名なDJ、トラックメイカーです。16歳という若さでDJとしてのキャリアをスタートさせ、MSCやBLACK GANIONといったヘヴィーなサウンドを好むアーティストとの交流を通して、彼の音楽性は研ぎ澄まされていきました。スクラッチ、ミックス、そしてトラックメイキングにおいて、その卓越した技術と、時にダークで、時に叙情的な世界観を表現することに定評があります。

般若からのソロデビュー、そして多様な音楽活動

彼は、ラッパーの般若、RUMIと共にヒップホップユニット「般若」を結成したことで知られていますが、ユニット解散後にはソロアーティストとしてデビュー。その後、精力的に活動を続け、数々の作品を発表しています。その活動は多岐に渡り、自身の選曲によるMIX CD制作から、数多くのアーティストとのコラボレーション、そして音楽ドキュメンタリー映画の制作・監修など、音楽表現の幅を広げ続けています。

厳選されたレコードと独自のサンプル技法

2006年には、自身初となるアルバム『SPINHEDDZ』をリリース。この作品は、400枚ものレコードの中から厳選されたサンプルを用いて制作されており、彼の高い選曲眼と、類まれなサンプリング技術、そしてスクラッチのスキルが存分に発揮されています。続く2008年のセカンドアルバム『DHARMA DANCE』では、海外アーティストであるdoseone(Anticon)や、日本のミュージシャンであるいとうせいこうといった豪華な客演陣を迎え、さらに世界観の幅を広げました。

日本ヒップホップへの愛を込めたMIX CD

2009年には、日本人アーティストの作品のみを集めたMIX CD『JAPADAPTA』を発表。この作品は、日本のヒップホップシーンへの深い愛情と、その歴史へのリスペクトが感じられる、重要な作品となっています。FREEZ、Q-ILL、NORIKIYOといったそうそうたるメンバーが参加した、まさに日本のヒップホップシーンのクロスセクションと言える内容です。同年には、日本のトップラッパー12人をフィーチャリングしたアルバム『THE 12JAPS』もリリース、日本のヒップホップシーンへの貢献を改めて示しました。また、DALEKとのコラボレーション作品も発表するなど、多方面に渡る活動が活発に行われています。

独自の表現方法とDMC大会への不参加

DJ BAKUは、DMC等のDJバトル大会への出場をしていません。その理由として、彼は「限られた時間（6分間）でのルーティンでは自分の世界観を表現できない」と語っており、彼の音楽表現に対する真摯な姿勢がうかがえます。彼の作品は、単なる技術の披露ではなく、彼の音楽性、思想、そして世界観を深く反映した、独特の表現方法が採られています。

多様な活動と影響を受けたアーティスト

DJとしての活動以外では、自身のブログでライブの感想や自身の思想について発信したり、2005年には自ら監修、音楽も担当した音楽ドキュメンタリー映画「KAIKOO/邂逅」を発表するなど、多方面で才能を発揮しています。彼の音楽性形成に大きな影響を与えたアーティストとしては、Q-Bert、DJ Krush、DJ Shadowなどが挙げられ、特にDJ Krushについては「DJでは唯一本気で尊敬している人」と評しています。幼少期には、父親の影響でクラシックやバロック音楽に親しんでいたことも、彼の音楽性形成に影響を与えていると言えるでしょう。

ディスコグラフィーと今後の活動

彼のディスコグラフィーは、アルバム、MIX CD、そして様々なアーティストとのコラボレーション作品と、多岐に渡ります。これらの作品は、彼の音楽性を理解する上で重要な手がかりとなるでしょう。今後も、彼の独自の音楽性と世界観が、日本のヒップホップシーン、そして音楽シーン全体に影響を与え続けることは間違いないでしょう。彼の今後の活動にも期待が高まります。

参考文献

DJ BAKUインタビュー - CINRA.NET／2008年9月30日掲載
ビートグランプリ - DJ BAKU
* 音楽ナタリー - DJ BAKU

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