DOCOMOMO

国際ドコモモ（DOCOMOMO International）

国際ドコモモ（DOCOMOMO International）は、近代建築の保護と記録を目的とする非営利団体で、1988年に設立されました。60以上の国や地域から構成されるこの国際組織は、建築や都市計画に関する重要な活動を展開しています。組織名「DOCOMOMO」は、英語の「International Committee for Documentation and Conservation of Buildings、Sites and Neighbourhoods of the Modern Movement」の頭字語に由来しています。初代本部はオランダのデルフトに設置されましたが、その後フランスやポルトガルを経て、2022年に再びデルフトに戻りました。

この組織は、近代建築の保存に対する啓発や提言を行っており、ムリナリニ・ラジャゴパラン氏は著書において「近代建築の保存にとって非常に重要な団体」と評しています。

沿革

国際ドコモモの設立は、オランダの建築家ユベール＝ヤン・ヘンケットとウェッセル・デ・ヨングがアイントホーフェンで行ったもので、イコモスの影響を受けたとされています。設立当初から、組織は近代建築の保存を主体に活動を進めてきました。2000年には、国際事務局がパリに移転し、以降、様々な国での会議や活動を通じて情報共有と研究の進展を促しています。

特に注目されるのは、2008年に2,000名の個人会員を数え、その後も国別支部やワーキンググループを設置しました。その後、2010年にはバルセロナに移転し、2014年にはリスボン大学に拠点を移しました。

国際会議とセミナー

国際ドコモモは隔年で国際会議を開催し、参加者の研究成果を発表し合っています。主なトピックには鉄筋コンクリート構造の修復、近代建築と使用する材料などが含まれます。過去の会議の多くは、実際のモダニズム建築の会場で実施されており、参加者が実物を見ることができる貴重な機会を提供しています。

出版物

国際ドコモモは、機関誌『docomomo Journal』を発行し、モダニズム建築に関する研究を定期的にまとめています。この雑誌は、様々な著名な専門家による論文を掲載し、建築界の知見を広める役割を果たしています。特に日本に関連する内容も取り上げられており、国際的な協力を促進しています。

日本における活動（DOCOMOMO Japan）

DOCOMOMO Japanは国際ドコモモの日本支部であり、1998年に設立されました。この組織は日本の近代建築の保存活動を展開し、代表的な建物の選定や展覧会の開催を行っています。これまでに290の選定建物をリストアップしており、近代の建築物に対する認識をさらに深めるための努力を続けています。

まとめ

国際ドコモモは、近代建築を未来に残すための重要な役割を果たしています。国際的な協力により、近代建築の保存とその価値の理解が促進されており、団体の活動を通じて、建築史や都市計画の観点から新たな視点が提供されています。

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