DRAMA!

中島みゆきの36作目のオリジナルアルバム『DRAMA!』は、2009年11月18日にリリースされました。このアルバムは、彼女の多岐にわたる音楽活動の軌跡を辿る上で、非常に重要な作品と言えるでしょう。

アルバムは大きく二つのパートに分かれています。前半6曲は、2008年に上演されたミュージカル『SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜』のために書き下ろされた楽曲で構成されています。このミュージカルは、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人を救った杉原千畝の物語を描いたもので、中島みゆきは、その劇中歌を通して、人間の尊厳や愛、そして勇気を力強く表現しました。

後半7曲は、夜会VOL.15『〜夜物語〜元祖・今晩屋』（2008年-2009年）と夜会VOL.16『〜夜物語〜本家・今晩屋』（2009年）で歌われた楽曲から厳選されています。夜会は、中島みゆきがライフワークとして続けている舞台作品で、彼女自身の作詞・作曲・演出による、濃密な物語と音楽が展開されます。これらの楽曲は、夜会の世界観を色濃く反映しており、人間の心の奥底にある感情や葛藤を、深く掘り下げています。

収録曲は以下の通りです。

1. 翼をあげて - Lift Your Wings
2. こどもの宝 - A Child's Treasure
3. 夜の色 - Colors Of The Night
4. 掌 - The Parm Of My Hands
5. 愛が私に命ずること - What Love Compels Me To Do
6. NOW
7. 十二天 - The Twelve Guardians Of Heaven
8. らいしょらいしょ - Raisho Raisho (A Afterlife)
9. 暦売りの歌 - Song Of The Calendar Hawker
10. 百九番目の除夜の鐘 - The 109th New Year's Eve Bell
11. 幽霊交差点 - Ghostly Crossing
12. 海に絵を描く - Draw A Picture On The Sea
13. 天鏡 - Hevenly Mirror

これらの楽曲は、中島みゆきの卓越した作詞・作曲能力と、瀬尾一三氏による繊細かつダイナミックな編曲によって、見事に融合されています。また、ミュージカルや夜会という舞台作品を通して歌われたことで、それぞれの楽曲が持つドラマ性がより一層際立っています。

『DRAMA!』は、中島みゆきの音楽世界を深く理解するための、重要な一枚と言えるでしょう。彼女の歌声を通して、人間の心の光と影、そして生きることの意味を、改めて考えさせられる作品です。

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