Dear Me (杏子のアルバム)

『Dear Me』（ディア・ミー）は、日本の女性シンガーソングライター杏子が1995年4月10日に発表した3枚目のオリジナルアルバムです。前作『別天地』から約1年9ヶ月ぶりのリリースであり、Ki/oon Sony Recordsからwea JAPANへの移籍後、初のアルバムとなりました。また、このアルバムはwea JAPANからの唯一のリリース作品となっています。

リリース形態はCDのみで、当時としては一般的な形態でした。

音楽評論家の間では、このアルバムの評価は賛否両論ありました。CDジャーナルは、アルバム全体のチープさを「枯れたB級感」と表現し、やや茶化すようなコメントをしていますが、その一方で、大風呂敷を広げずに、アーティストが自身のペースでやりたいことを追求している点については肯定的に評価しています。この評価は、杏子の音楽に対する姿勢と、アルバムの持つ独特な雰囲気を捉えていると言えるでしょう。

アルバムには、多彩なミュージシャンが参加しています。田村玄一は、コンピュータープログラミング、キーボード、アコースティックギター、ペダルスティールを担当。森英治がコンピュータープログラミングとキーボードを、最上三樹生がシンセサイザーとコンピューターオペレーションを担当しています。ギター陣には、山崎まさよしがアコースティックギター、スライドギター、ブルースハープで参加。大平太一、間宮工、辻剛、馬場一嘉がそれぞれエレキギターやアコースティックギターを演奏しています。ベースは東純二、ドラムは河野道生と石坪信也が担当。パーカッションはMASAKI NAKAJIMAが担当しています。バックボーカルには、MIKA SEKINO、YORIKO UCHIYAMA、MIDORI OYAMADA、MIMI OHMORIが参加し、さらにVIRGINIE HELIEがフランス語のボーカルで参加しています。バックボーカルのアレンジは、KYOKO, YORIKO & MIKAが担当しています。

これらのミュージシャンたちの参加によって、『Dear Me』は、杏子の音楽性と多様なサウンドが融合した作品となっています。アルバムの楽曲は、杏子自身の内面を深く掘り下げた歌詞と、彼女の表現力豊かなボーカルが特徴的で、聴く人を引き込む魅力を持っています。

このアルバムは、杏子の音楽キャリアにおいて、新たな一歩を踏み出した重要な作品であり、彼女の音楽性を多角的に示す一枚と言えるでしょう。

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