Debuya

『debuya』（でぶや）は、2000年10月6日から2003年9月27日まで、毎週金曜日の深夜にテレビ東京系列で放送されたバラエティ番組です。現代社会における肥満へのネガティブな偏見に疑問を呈し、「肥満は良いことだ」という新しい価値観を提示することを番組の大きな目的としていました。 番組は、肥満の人々の地位向上を目指し、「デブの理想郷」とも言うべき『debuya』の世界観を構築することで、視聴者に新鮮な驚きと共感を提供しました。

番組の司会は、石塚英彦（ホンジャマカ）、パパイヤ鈴木（おやじダンサーズのリーダー）、そしてランディ・マッスルが務め、ナレーションはまつもとみわが担当しました。軽妙なトークと個性豊かな出演者たちが、番組を盛り上げました。

『debuya』の人気は、そのユニークな企画の数々にありました。特に印象的なのは「大盛りの美学」というコーナーです。特徴的な大盛りメニューを提供する飲食店を紹介するこのコーナーで生まれた「まいうー」という言葉は、番組をきっかけに爆発的な流行語となり、社会現象を巻き起こしました。

他にも、「デブ好きな女性」を募集し、デブの人々と合コンをする企画や、石塚とパパイヤが「F.A.T」というユニット名でCDデビューを果たした企画なども話題となりました。2001年7月25日には、ワーナーミュージック・ジャパンからシングル「My You」（「まいうー」をもじったタイトル）が発売され、大きな成功を収めました。

また、「今週のデブ好き美女図鑑」というコーナーもありましたが、宝石広場の協賛により出演女性陣にはジュエリーがプレゼントされていたため、彼女たちが本当にデブ好きだったかどうかは定かではありません。さらに、「発明王デブソンを探せ」というコーナーでは、発明家トーマス・エジソンにちなんで、肥満の人々に便利な発明品を紹介していました。

番組では、ファミリーマートとコラボレーションした商品開発も行われました。2002年2月には「debuyaどデカおむすび」「まいう～丼（半熟卵とハヤシライス）」「シャスデリー弁当」、同年5月には「まいう～ラーメン・冷やし」「まいう～うどん・冷やし」「debu焼き」が全国のファミリーマートで期間限定販売され、人気を博しました。このコラボレーションは、後番組の『元祖!でぶや』でも継続されました。

番組のオープニングでは、出演者たちがスマートカーに乗っている映像が使用されていました。また、岐阜放送では『Gパラダイス』として放送されました。

『debuya』の高い人気を受け、番組はゴールデンタイムへの進出を果たします。一旦終了した後、『元祖!でぶや』と改題・リニューアルされ、2003年10月からは毎週金曜日の21時枠で放送を開始しました。その後、放送枠を移動しながら2008年3月まで放送が続けられました。

番組のスタッフは、構成に成田はじめ、須平敦宣、カメラに小川正明（パコス）、音声に高橋憲治（パコス）、編集に細川敬志、清原正貴（ビームテレビセンター）、MAに出蔵孝裕（ビームテレビセンター）、音効に田中寿一（J-WORKS）、演出に田中久義、ディレクターに花田好昭、プロデューサーに大和田宇一、徳江長政、桜井卓也→山崎圭介（テレビ東京）、制作協力にウイッシュカンパニー、製作にテレビ東京、ワタナベエンターテインメントなど、多くの才能が集結していました。

2008年には、深夜時代の名シーンを収録した『debuya伝説』というDVDが発売されました。これを記念して、『元祖!でぶや』の2008年1月29日放送分は、深夜時代を再現した内容で放送されました。

『debuya』は、その斬新なコンセプトと個性的な企画で、多くの視聴者から愛されたバラエティ番組でした。 番組が築き上げた「肥満肯定」という価値観は、現代社会においても重要な意味を持つと言えるでしょう。

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