Docomo SMART series

docomo SMART series：ビジネスパーソンを支えた、NTTドコモの携帯電話シリーズ

2008年11月、NTTドコモは新たな携帯電話シリーズとして「docomo SMART series」を発表しました。このシリーズは、洗練されたデザインとビジネスシーンで役立つ機能を備えた端末群として展開されました。同時期には「docomo PRIME series」「docomo STYLE series」「docomo PRO series」なども発表されており、多様なユーザーニーズに対応するNTTドコモの戦略の一端を担っていました。

「iμ」シリーズからの進化とビジネスへの特化

「docomo SMART series」は、それ以前からNTTドコモが展開していた薄型端末「iμ（アイミュー）」シリーズの流れを汲んでいます。ソフトバンクモバイルの薄型端末に対抗する形で登場した「iμ」シリーズのコンセプトを継承しつつ、よりビジネスシーンでの活用を重視した点が大きな特徴です。単なる薄型軽量化だけでなく、ビジネスツールとしての実用性を追求した点が、「SMART」シリーズのアイデンティティでした。

シリーズ開始時には4機種がラインナップされ、その後は1シーズンに2機種ずつ新モデルが追加されました。しかし、時間の経過とともに「STYLE」や「PRIME」シリーズとの機能やデザイン面での重複も見られるようになり、2011年夏モデルをもってシリーズは終了することとなります。

スマートフォンではない「SMART」

シリーズ名に「SMART」と冠されていますが、docomo SMART seriesにはスマートフォンは含まれていませんでした。スマートフォンのラインナップは「docomo PRO series」や「ドコモスマートフォン」という別のシリーズに属していました。当時、一般的に「スマート」という言葉には「薄型・軽量」といったイメージがありましたが、「docomo SMART series」においては、あくまでビジネス機能の一要素として薄型軽量が位置づけられていた点に留意が必要です。

マーケティング戦略とシリーズの終焉

「docomo SMART series」のコンセプトカラーは「スマートパープル」でした。また、テレビCMなどのメディア広告では、俳優の堤真一さんが起用され（2010年4月まで）、シリーズのイメージを効果的に発信していました。

2011年夏モデルをもって、NTTドコモは「docomo SMART series」の廃止を発表しました。その後、SMARTシリーズに相当する端末は「docomo STYLE series」で展開されることとなり、シリーズの歴史に幕を閉じました。

まとめ

「docomo SMART series」は、洗練されたデザインとビジネスユーザー向けの充実した機能を両立させた携帯電話シリーズでした。スマートフォンの登場や市場の変化を受け、シリーズは終了しましたが、その存在は、NTTドコモの携帯電話の歴史において重要な役割を果たしました。ビジネスシーンでの携帯電話の活用を促進しただけでなく、時代の流れの中で携帯電話の進化と多様性を示す一例として、このシリーズは記憶に留められるべきと言えるでしょう。

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