Dolphin (ファイルマネージャ)

Dolphinは、KDEデスクトップ環境において、ファイル管理を担う主要なアプリケーションです。KDE SC 4以降、標準のファイルマネージャとして採用されています。

それ以前は、Konquerorがファイルマネージャとして使用されていましたが、多機能である一方、操作性の面でユーザーから改善の要望が寄せられていました。Konquerorは、ウェブブラウザ機能も兼ね備えていたため、ファイル管理以外の機能も含まれていました。そのため、各機能を別々のアプリケーションに分割する決定が下されました。

この分割の結果、ファイルマネージャの部分が独立したものがDolphinです。Dolphinは、Konquerorとソースコードを共有しているものの、ファイルマネージャとしての機能に特化しています。Konquerorはウェブブラウザとしての開発が継続されています。

もちろん、ユーザーはKonquerorをファイルマネージャとして使い続けることも可能です。しかし、Dolphinはファイル管理に特化した操作性と、豊富な機能を備えているため、多くのユーザーに支持されています。

Dolphinは、以下の様な特徴的な機能を備えています。

ネットワークの可視化
ローカルネットワーク上の共有フォルダや、リモートサーバのファイルシステムに簡単にアクセスできます。これにより、複数のデバイスやサーバ間のファイル管理が容易になります。
クリック可能なナビゲーションバー
URLのような形式で表示されるナビゲーションバーは、各階層がクリック可能で、フォルダ間の移動が直感的です。これにより、深い階層のフォルダへもスムーズに移動できます。
ファイル名の一括変更
複数のファイル名を一度に変更する機能です。規則性のある命名規則に沿って、ファイル名を一括で変更したい場合に非常に便利です。連番を振ったり、特定の文字列を置換したりするなど、多様な変更に対応できます。
フォルダごとの表示方法設定
各フォルダに対して、アイコン表示、リスト表示、詳細表示など、異なる表示方法を設定できます。これにより、フォルダの内容に応じて最適な表示方法を選択でき、ファイル管理の効率が向上します。
ウィンドウ分割
ファイルをコピーや移動する際、ウィンドウを分割して表示できます。これにより、ドラッグアンドドロップによるファイル操作が容易になり、フォルダ間のファイルの移動やコピーを効率的に行えます。
操作の取り消しとやり直し
ファイル操作に対して、「元に戻す」と「やり直す」が可能です。誤った操作を行った場合でも、簡単に操作を元に戻すことができ、安心してファイル操作を行うことができます。

Dolphinは、これらの機能に加え、プラグインによる拡張機能も備えており、ユーザーは自分の作業スタイルに合わせて、Dolphinをカスタマイズすることが可能です。これにより、Dolphinは単なるファイルマネージャ以上の存在として、KDEデスクトップ環境のユーザビリティを大きく向上させています。

関連項目
KDE
KDEアプリケーション一覧
ファイルマネージャ

外部リンク
The Dolphin (KDE)
Dolphin - File Manager
Dolphin)
Dolphin
Dolphin Folder Color

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