Double (DOUBLEのアルバム)

DOUBLEの記念すべきデビューアルバム『double』：海外制作と姉への想いを込めた1枚

2002年4月24日、日本の女性歌手DOUBLEの記念すべきファーストアルバム『double』がリリースされました。本作は、DOUBLEにとって最初のオリジナルアルバムであり、彼女の音楽的才能とアーティストとしての姿勢を鮮やかに示す作品となっています。

アルバムには、既にシングルとしてリリースされ人気を博していた『handle』、『U』、『Angel』を含む全12曲が収録されています。これらの楽曲は、海外を拠点とする実力派プロデューサー陣によって制作され、ニューヨークでのレコーディングを経て完成しました。ブライアン・アレクサンダー・モーガン、エドワード“エディ・F”ファレル、ダレン・ライティ、アンジェラ・ジョンソン、ブラック・オパール、ローランド・クラークといった、各分野で高い評価を得ているプロデューサーたちが、DOUBLEの音楽世界を彩る上で重要な役割を果たしています。

特に注目すべき点は、アルバム制作における国際的なコラボレーションです。楽曲制作からレコーディングまで、海外のプロフェッショナルチームと協力することで、DOUBLEは自身の音楽表現を新たな高みへと引き上げました。この挑戦的なアプローチは、アルバム全体に洗練されたグローバルなサウンドスケープをもたらし、日本のR&Bシーンに新たな風を吹き込むこととなりました。

しかし、『double』の魅力は、洗練されたサウンドだけではありません。各楽曲には、DOUBLEの個人的な物語や深い感情が織り込まれています。特に興味深いのは、アルバムに収録されている楽曲の多くが、元々は英語詞で書かれた楽曲を日本語詞に翻訳・編曲したものだということです。例えば『Angel』は日本語版では無償の愛をテーマにしていますが、原曲である英語版『Tell Me』では不倫をテーマにしています。こうした背景を知ることで、歌詞の一語一語に込められた想いの深さをより深く理解することができます。

さらに、アルバムの最後に収録されているシークレットトラック『Handle (DOUBLE Version)』は、F.O.H（Full Of Harmony）の参加なしにDOUBLE自身によって再アレンジされたバージョンとなっています。この隠しトラックの存在は、リスナーに予想外の喜びと、アルバム全体への理解をより深める機会を与えてくれます。

『double』は、ソロプロジェクトとしての出発点でありながら、DOUBLEにとって姉であるSACHIKOとの絆を強く意識した作品でもあります。ブックレットには、SACHIKOへの感謝のメッセージが綴られており、彼女の存在がDOUBLEの音楽活動にどれほど大きな影響を与えていたのかが伝わってきます。姉の遺志を継ぎ、彼女の夢を実現させようとする強い意志が、アルバム全体を貫いています。

『double』は、単なる音楽作品という枠を超え、DOUBLEというアーティストの歩み、そして彼女と姉の深い絆を物語る、非常にパーソナルな作品です。その洗練されたサウンドと、歌詞に込められた深い感情は、リスナーの心に長く残る感動を与え続けるでしょう。

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