Driving in the silence

『Driving in the silence』は、坂本真綾が2011年11月9日にリリースした3枚目のコンセプトアルバムです。前作『30minutes night flight』から約4年8ヶ月ぶり、アルバム全体としては『You can't catch me』から約10ヶ月ぶりのリリースとなりました。

本作は「冬」をテーマにしたコンセプトアルバムであり、収録曲は全てクリスマスソングで構成されています。ラスマス・フェイバー、江口亮、永野亮、柴草玲など、豪華な作家陣が楽曲を提供しています。坂本真綾自身も「落ち着くのは嫌」という気持ちを反映させ、既存のシングル曲は含まず、本作のために書き下ろされた楽曲のみで構成されています。

ジャケットデザインは、坂本真綾が見つめる「冬景色」をテーマにしており、アルバムのコンセプトを視覚的に表現しています。リード曲「Sayonara Santa」にはPVが制作され、YouTubeの公式チャンネルでショートバージョンが公開されました。この曲は、スウェーデンの音楽プロデューサー、ラスマス・フェイバーとのコラボレーションによって生まれました。

8トラック目に収録されている「誓い」は、1枚目のベスト・アルバム『everywhere』に収録された「everywhere」以来となる、坂本真綾自身が作詞・作曲を手掛けた楽曲です。自身の内面を深く掘り下げた歌詞とメロディが、冬の静寂の中で際立ちます。

アルバム発売後には、本作を引っ提げたワンマンライブ『坂本真綾LIVE 2011 "in the silence"』が天王洲 銀河劇場で開催されました。ライブでは、本作の収録曲に加え、過去のコンセプトアルバム『イージーリスニング』、『30minutes night flight』の楽曲も披露され、観客を魅了しました。

音楽プロデューサーは河野伸が担当し、全収録曲の編曲を手掛けています。河野伸による繊細で美しいアレンジが、アルバム全体の統一感を高めています。

初回限定盤には、アイルランドで撮影されたオリジナルショートムービーが収録されたDVDが付属。また、ライブの購入者対象先行予約情報や、プレゼントキャンペーン応募ハガキも封入されています。

アルバムの発売を記念して、特設サイトがオープン。イメージビジュアルや収録曲の試聴音源が公開されました。坂本真綾は本作について、「暖炉の周りで家族と過ごすような静かなクリスマスや、冬の寒さと温かさを感じてもらえたら」と語っています。

オリコン週間アルバムチャートでは2位を獲得し、コンセプトアルバムとしては初のTOP3入りを果たしました。オリコンデイリーチャートでは5日連続でTOP5入りを記録。hotexpressの山本純は、「冬の静けさや空気などの冬独特の情景や香りと音の調和が絶妙な作品」と評しています。

『Driving in the silence』は、坂本真綾の音楽性の幅広さと、冬の情感を豊かに表現した傑作として、多くのファンに愛されています。冬の夜長に、温かい飲み物と共にじっくりと聴きたい一枚です。

もう一度検索