Dropbear

Dropbearは、Matt Johnston氏によって開発されたSecure Shell（SSH）互換のサーバーおよびクライアントソフトウェアパッケージです。2003年4月に最初のバージョンがリリースされました。

開発背景

Dropbearは、組み込みシステムなど、メモリやCPUリソースが限られた環境での利用を想定して設計されました。標準的なSSH実装であるOpenSSHの代替として、軽量で効率的な動作を目指しています。そのため、OpenWrtなどのルーターディストリビューションでは、コアコンポーネントとして採用されています。

技術的な詳細

Dropbearは、SSHプロトコルのバージョン2を実装しています。暗号化アルゴリズムの実装には、Dropbearディストリビューションに含まれるサードパーティの暗号化ライブラリを利用しています。また、BSDスタイルの疑似端末の処理には、OpenSSH由来のコードが用いられています。

主な特徴

SSHバージョン2の完全サポート: Dropbearは、クライアントとサーバーの両方でSSHバージョン2プロトコルを完全に実装しています。セキュリティ上の理由から、SSHバージョン1の下位互換性はサポートされていません。これにより、SSHバージョン1に存在するセキュリティの脆弱性を回避しています。
軽量設計: リソース消費を抑える設計により、メモリやCPUの制約がある環境でも効率的な動作が可能です。組み込み機器や小型デバイスでの利用に適しています。
SCPの実装: SCP（Secure Copy Protocol）をサポートしており、セキュアなファイル転送が可能です。
SFTPのサポート: SFTP（SSH File Transfer Protocol）は、OpenSSHなどの他のプログラムが提供するバイナリファイルに依存しています。これにより、柔軟なファイル転送機能を利用できます。
FISHプロトコルのサポート: FISHプロトコルもサポートされており、Konquerorなどのアプリケーションでのファイル操作が可能です。
楕円曲線暗号のサポート: バージョン2013.61test以降では、鍵交換に楕円曲線暗号をサポートしており、より高度なセキュリティを提供します。

関連事項

Lsh: GNUプロジェクトによるSSHの実装。
SSHクライアントの比較: さまざまなSSHクライアントの機能比較。
SSHサーバーの比較: さまざまなSSHサーバーの機能比較。

外部リンク

Dropbear 公式ウェブサイト

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