Dwm (ウィンドウマネージャ)

dwm (Dynamic Window Manager) について

dwm（Dynamic Window Manager）は、X Window System上で動作する、ミニマリズムを追求した動的タイル型ウィンドウマネージャです。その外観はwmiiに似ていますが、内部構造はさらにシンプルです。dwmは純粋なC言語で記述されており、設定インターフェースを持たない点が大きな特徴です。設定の変更は、ソースコードを直接修正し、コンパイルすることで適用されます。

シンプルさを追求した設計

dwmプロジェクトは、ソースコードが2,000行を超えないというガイドラインを設けており、ユーザーが設定するオプションはすべて一つのヘッダファイルに集約されています。この徹底したシンプルさが、dwmの大きな魅力となっています。

初期バージョンでは、標準入力を画面上端のステータスバーに表示する機能がありましたが、現在はxsetrootで設定されたルートウィンドウ名を使用する方法に変更されています。このステータスバーは、他のデスクトップ環境における通知エリアのように、情報を表示するのに利用されます。dwmの開発者によって作成されたテキストベースのアプリケーションランチャーであるdmenuが、このステータスバーを補完する役割を果たします。

マウス追随型フォーカスとシンプルな装飾

dwmはマウス追随型のフォーカスモデルを採用しており、フォーカスを示すウィンドウ枠以外の装飾は一切ありません。これにより、非常にシンプルなデスクトップ環境が実現されています。

フォークとパッチ

dwmプロジェクトは大きな注目を集めており、多くのウィンドウマネージャがdwmのソースコードをベースにするか、その影響を受けています。公式サイトでは、多数のフォークやパッチが紹介されています。以下に主なものを紹介します。

xmonad

dwmをHaskellで書き直し、機能を追加したウィンドウマネージャです。

awesome

dwmをベースに、FreeTypeサポート、Lua言語による高度な設定と拡張性、freedesktop.org仕様の実装、より多くのレイアウトタイプの追加などが行われたウィンドウマネージャです。

Echinus

dwmをベースに、FreeTypeサポート、EWMH（Extended Window Manager Hints）対応、クリック追随型フォーカス、設定インターフェース、より多くのレイアウトタイプの追加などが行われたウィンドウマネージャです。

scrotwm

dwmからコードを流用し、設定インターフェース、動的なXineramaサポート、および状態を維持したままの再起動を可能にしたウィンドウマネージャです。

外部リンク

公式サイト
日本タイル型ウィンドウマネージャ推進委員会: dwm

dwmは、そのシンプルさとカスタマイズ性の高さから、多くのユーザーに支持されています。特に、自分の好みに合わせて環境を細かく調整したいユーザーにとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

もう一度検索