Eラーニング

eラーニングとは

eラーニング（e-learning）とは、情報技術（IT）を活用した学習形態のことで、electronic learning の略です。コンピュータやインターネットなどの技術を用いて、場所や時間にとらわれずに学習できることが特徴です。従来の教室での授業とは異なり、個人のペースで学習を進められるため、多様な学習ニーズに対応できる手段として注目されています。

eラーニングの概要

eラーニングは、PCやスマートフォンなどのデバイスと、インターネットなどの通信ネットワークを利用します。学習内容は、動画、音声、テキストなどを組み合わせたマルチメディア形式で提供されることが多く、視覚的にも分かりやすいのが特徴です。学習者は、自分のペースで学習を進められ、理解度を確認するためのテストや演習も提供されるため、効果的な学習が期待できます。

eラーニングの歴史

コンピュータを利用した学習は、以前から存在していましたが、1990年代にインターネットが普及したことで、eラーニングという言葉が使われるようになりました。アメリカでは、1980年代から衛星通信を利用した遠隔教育が行われていましたが、1990年代には、インターネットを利用した低コストで双方向性の高いシステムが普及しました。日本では、2001年のe-Japan構想により、eラーニングが広く認知されるようになりました。

eラーニングシステム

eラーニングシステムは、「教材・学習材」と「学習管理システム（LMS）」で構成されています。教材・学習材は、動画、音声、テキストなどのコンテンツであり、学習管理システムは、学習者の進捗状況や成績を管理するシステムです。学習者は、学習管理システムを通じて教材にアクセスし、学習を進めます。教師は、学習者の進捗状況を把握し、適切な指導を行うことができます。

教材・学習材

eラーニングの教材は、静止画、動画、音声、テキストなど、様々な形式で提供されます。これらを組み合わせることで、学習効果を高めることができます。また、小テストやドリル、試験問題などを教材として利用することで、学習の定着度を確認することができます。

学習管理システム（LMS）

学習管理システム（LMS）は、eラーニングを効率的に行うためのプラットフォームです。教材の配信、学習者の進捗管理、成績管理など、eラーニングに必要な機能を一元的に提供します。また、学習者同士のコミュニケーションを促進する機能や、教師が学習者をサポートするための機能も提供されています。

eラーニングの利点と欠点

利点

場所と時間にとらわれない学習: 学習者は、いつでもどこでも自分のペースで学習を進めることができます。
個人の習熟度に対応: 個々の学習者の理解度に合わせて学習内容を調整できます。
均一な学習内容: 標準化された授業を提供できるため、質の高い教育を均一に提供できます。
教材の削減: 印刷教材の量を減らすことができ、ペーパーレス化にも貢献します。
効率的な業務: 教師は、時間や場所に縛られずに業務を遂行できます。
成績管理の自動化: 成績管理を自動化することで、教師の負担を軽減できます。
低コスト: 集合教育と比較して、コストを抑えることができます。

欠点

学習意欲の維持: 学習意欲を維持することが難しい場合があります。
コミュニケーション不足: 画面越しのコミュニケーションでは、対面授業のようなインタラクティブなやり取りが難しい場合があります。
問題解決の難しさ: 疑問点が生じた場合、すぐに解決することが難しい場合があります。
交流の不足: 教師や他の学習者との交流が不足しがちです。
資格取得の制限: eラーニングでは、資格や単位を取得できない場合があります。
学習状況の把握: 教師は、学習者の状況をデータからしか把握できないため、個別の対応が難しい場合があります。
教材作成の負担: 教材作成に手間と時間がかかる場合があります。
* 実技・実験の不向き: 実技や実験を必要とする科目には向かない場合があります。

eラーニングに関する規格

SCORM

SCORM（Shareable Content Object Reference Model）は、異なるLMS間で教材を共有するための規格です。SCORMに準拠した教材であれば、どのLMSでも利用することができます。しかし、SCORMの仕様が複雑であるため、教材作成の負担が大きいという課題があります。

Experience API (xAPI)

xAPIは、SCORMに代わる新しい規格です。学習者の経験をデータとして記録し、様々な学習活動を可視化することを目的としています。xAPIに対応したシステムでは、学習者の学習履歴を詳細に分析し、より効果的な学習を支援することができます。

学校設置基準

学校設置基準とは、大学などの教育機関が守るべき基準を定めたものです。eラーニングに関する規定も含まれており、対面授業に準じた学習効果を保証するための要件が定められています。

まとめ

eラーニングは、情報技術を活用した学習形態であり、時間や場所にとらわれずに学習できる柔軟性が魅力です。しかし、学習意欲の維持やコミュニケーション不足などの課題も存在します。これらの利点と欠点を理解した上で、eラーニングを効果的に活用していくことが重要です。

もう一度検索