EANコード

EANコードの概要

EANコード（European Article Number）は、商品を特定するための識別番号及びバーコードの規格です。日本国内では「JANコード」（Japanese Article Number）として広く利用されており、商品識別の標準的な手段として重要な役割を果たしています。EANコードは、国際的な標準化団体GS1が定めたGTIN（Global Trade Item Number）の一部であり、通常は13桁の形式（GTIN-13）を持ち、一部の製品には短縮された8桁の形式（EAN-8）が使用されることもあります。

EANコードの役割と機能

EANコードは、商品名や価格などの情報をデータベースと結び付ける役割を果たします。多くの商業チェーンでPOS（販売時点情報管理）システムが導入されており、EANコードを用いて商品情報を迅速に検索することが可能です。このことにより、在庫管理や発注システムが効率化され、サプライチェーン全体の管理が改善されます。EANコード自体は単なる番号であり、単独では情報を持っていませんが、他のデータベースシステムと組み合わせることで商品を特定し、関連する詳細情報を取得するのに利用されます。

EANコードの構成

日本におけるEANコードは、通常「49」または「45」で始まる13桁の標準タイプと8桁の短縮タイプがあります。13桁のコードは、以下の要素で構成されています：

1. GS1事業者コード（5桁から10桁）
2. 商品アイテムコード（合計12桁になるよう設定）
3. チェックデジット（1桁）

短縮タイプにおいては、主にディスプレイスペースが限られる商品に適しています。短縮コードはGS1 Japanから発行され、使用には個別の申請が必要です。日本国内では、GS1 Japanが事業者コードを一括管理し、各企業に対してそれを貸与しています。

組織コードとマーキング

商品が小さい場合などで自社でバーコードラベルを作成する際、販売店はインストアマーキングとして実施することがあります。この際には、特定の国コード（2桁）を利用することがあります。たとえば、UPC互換の「02」、「04」、「20」から「29」までの数字が使用されることがあります。

JANシンボルとバーコードの互換性

EANコードはJANシンボルという形で表現され、このシンボルは米国で広く使われているUPCコードとの互換性があります。JANシンボルは、1978年に日本で標準化され、1987年にはJIS X 0501として規格化されました。その後、ISO/IEC 15420:2000に基づいたJIS X 0507が2004年に発行されています。

バーコードの読み取り

JANシンボルは、数字をバーとスペースの幅の違いで表現しており、商品にマーキングされています。これは「白い隙間と黒い棒」として視覚的に認識され、バーコードリーダーによって読み取られます。また、誤って読み取られなかった場合には、目視で確認できる数字（HRI）が下部に表示されることが求められています。

EANコードのモジュール構造

EANコードのバーコードは「4値コード」として知られ、各数字は7モジュールという最小単位で構成されています。左マージン、ガードバー、データキャラクタ、センターバーなどを含む113モジュールで構成されることで、13桁のEANコードを形成します。短縮コードの場合、全体で81モジュールが使用されます。これにより、様々な商品情報を効率的に管理し、利用することが可能になります。

まとめ

EANコードは国際的な商品識別システムとして、商品管理や在庫管理の効率化を図り、商業活動をスムーズにするために不可欠なツールです。特に日本においては、大半の商品にJANコードが使用されており、流通業界における基盤を支える重要な要素として位置付けられています。

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