ECD (ミュージシャン)

ECD：日本のヒップホップシーンを彩ったアーティストの生涯

ECD（イーシーディー）、本名石田義則は、1960年3月29日東京都生まれ、2018年1月24日没の日本のヒップホップミュージシャンです。写真家の植本一子を妻に持ち、2人の娘にも恵まれました。

10代とヒップホップとの出会い

10代の頃には劇団キラキラ社に所属し、演劇の世界に触れていました。転機となったのは1982年、ジョン・ライドンのインタビューでグランドマスター・フラッシュを知ったことでした。この出会いが、彼をヒップホップの世界へと導きます。その後、1986年のRUN D.M.C.の初来日公演を目撃し、ラッパーになることを決意。1987年から本格的な音楽活動をスタートさせました。

音楽活動の始まりと多様な活動

1989年には、ヒップホップ・イベント『CHECK YOUR MIKE』を主催するなど、シーンを盛り上げる活動にも貢献しました。1990年、シングル「Pico Curie」でメジャーデビューを果たし、1992年には初のアルバム『ECD』を発表。その後も精力的に作品を発表し続け、1996年には日比谷野外音楽堂で自身主催のイベント『さんピンCAMP』を開催するなど、常に音楽活動の中心を担っていました。

彼の活動は音楽にとどまりません。2007年には松本哉が主催した高円寺駅前の政治運動にラッパーとして参加。2011年には反原発運動に参加し、楽曲『反原発REMIX』を発表するなど、社会問題にも積極的に関与しました。2013年にはイルリメとの共作楽曲「The Bridge 反レイシズムRemix」を発表、レイシストをしばき隊にも同調するなど、反レイシズムの活動にも積極的に取り組んでいました。

多彩な才能と多くのコラボレーション

ECDは、数多くのアルバムやシングルを発表する傍ら、多くのアーティストとのコラボレーションでも知られています。スチャダラパー、DJ DOC. HOLIDAY、ACROBAT BUNCH、キミドリ、そして、多くのヒップホップアーティストとの共演を通じて、日本のヒップホップシーンに大きな影響を与えました。

彼の音楽性は多様で、ヒップホップをベースとしながらも、様々な音楽要素を取り入れ、独自のスタイルを確立していました。その独特な音楽性とメッセージは、多くのリスナーを魅了しました。

病気と死、そして残されたもの

2016年、自身のTwitterで進行性のがんを公表。闘病生活を続けながらも、2017年には2000年以降に発表された楽曲から選曲したベストアルバム『21世紀のECD』をリリースしました。しかし、2018年1月24日、57歳でこの世を去りました。

ECDは、音楽家としてのみならず、社会活動家としても大きな存在感を示しました。彼の活動は、多くのアーティストやリスナーに影響を与え続け、日本のヒップホップシーンに大きな足跡を残しました。彼の作品は、これからも多くの人々に聴かれ、語り継がれていくことでしょう。

ディスコグラフィー

ECDは、数多くのアルバム、シングル、そして参加作品を発表しています。ここでは、その一部を紹介します。

スタジオアルバム:
ECD (1992)
Walk This Way (1993)
ホームシック (1995)
そして、多くの作品…

シングル:
Pico Curie (1990)
漫画で爆笑だあ!完全版 (1992)
そして、多くの作品…

その他、多数のコンピレーションアルバム、ライブアルバム、リミックスアルバム、そしてゲスト参加作品があります。

著書

ECDは、音楽活動以外にも、エッセイ集など数多くの著作も残しています。
ECDIARY (2004)
失点・イン・ザ・パーク (2005)
そして、多くの作品…

彼の言葉は、音楽と同様に、多くの人々に影響を与え続けています。

ECDの音楽と活動は、これからも多くの人々の心に響き続けるでしょう。

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