EDonkey

eDonkeyは、かつて世界的に利用されていたP2Pファイル共有ソフトウェアです。最盛期には推定4500万人から7000万人ものユーザーが利用しており、海外では最もトラフィック量の多いファイル共有ソフトとして知られていました。ファイル流通量も非常に多く、重複を除いても30TBから70TBに達していたとされています。これは、ファイル形式が異なるものの、内容が同じ動画なども同一ファイルとしてカウントした場合の数値です。

特徴としては、ファイル共有ネットワークが中央サーバー（検索サーバー）を持つハイブリッド型であった点が挙げられます。この方式により、ユーザーはサーバーを通じてファイルを検索し、他のユーザーとファイルを共有することができました。

しかし、2006年9月、eDonkeyの配布元であったアメリカの企業MetaMachineが、RIAA（全米レコード協会）からの訴訟を避けるため、3000万ドルを支払うことで和解しました。その結果、eDonkeyやeDonkey 2000といったソフトウェアの配布を停止し、サービスを終了することとなりました。

なお、eDonkey 2000の後継としては、eMuleというソフトウェアが開発されています。eMuleは、eDonkeyのネットワークを利用したファイル共有を引き継ぎ、現在でも多くのユーザーに利用されています。

また、2008年時点では、日本で普及しつつあったファイル共有ソフトBitCometにおいても、専用のプラグインを導入することでeDonkeyネットワークを利用することが可能でした。これにより、eDonkeyネットワークは、他のソフトウェアを通じて一定程度利用され続けることになりました。

eDonkeyのサービス終了は、P2Pファイル共有ソフトウェアの歴史において重要な出来事の一つです。その高い人気と、著作権問題によるサービス停止という流れは、後のファイル共有ソフトウェアのあり方にも影響を与えました。

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