ELECTROMANCER

アルバム『ELECTROMANCER』の詳細

浅倉大介の3枚目のアルバム『ELECTROMANCER』は、1995年7月12日にリリースされました。この作品は、accessの活動休止後に発表された初のソロアルバムで、ファンハウスから発売されました。2013年にはソニー・ミュージックダイレクトによってリマスタリングされ、Blu-spec CDとして再発されました。初回限定盤には特典としてトレーディングカードが同梱されています。

制作の背景

アルバム制作は1995年2月12日に始まりました。浅倉はさまざまな活動を同時進行で進めており、当初のスケジュール通りには進まなかったものの、3曲のビジョンが浮かんでいる程度でした。ボーカリストのオーディションを行う中で、彼の生活は夜間スタジオで作業し、朝方に帰宅するというサイクルが続いていました。3月5日には、彼自身のボーカルのレコーディングも行われ、3月19日にはリードシングルのジャケット写真撮影が実施されました。また、プロモーションビデオの撮影のためにロサンゼルスやメキシコにも出向いています。

音楽の特徴

アルバムのタイトル『ELECTROMANCER』は、「エレクトロ」と「ロマンサー」を組み合わせた造語で、近未来的なニューロコンピュータをイメージしています。この楽曲群は、現実の中に非現実の世界を見いだすというコンセプトで制作されています。浅倉は「異なる音楽ジャンルが交錯し、ビデオドラッグのように次々と新たな刺激が訪れる音楽」を目指し、ボーカリストの選定ではオーディションを行った結果、センスに合った声を見つけ出しました。

音源制作においては、1995年1月からメインのシーケンサーをLogic Audioに変更し、生音とデジタル音源を融合させることに注力しました。これにより、ボーカルのアレンジをデジタルデータとして編集することが可能になりました。

ミュージックビデオと特典

アルバムに先行してリリースされたミュージックビデオ「INTERFACE OF ELECTROMANCER」は、1995年6月25日に公開され、日本、アメリカ、メキシコで撮影されました。初回限定版には、浅倉本人がaccessの楽曲や使っているシンセサイザーについて語るインタビュー映像やミニゲームが収録されたCD-ROM「mediaROMancer」が同梱され、それによりファンとの交流の場も提供されました。

セールスと名曲

『ELECTROMANCER』は、浅倉のソロアルバムとしては2番目に高い販売数を記録し、9.6万枚に達しました。リリース時には通常盤と初回限定盤の2形態が存在し、初回限定盤はオリコンで最高4位を記録しました。

収録曲には、アルバムタイトルを冠した「THE ELECTROMANCER」をはじめ、「BLACK OR WHITE?（L.A.MIX）」「KARMA FOREST（L.A.MIX）」「SPACE PARADISE」などが含まれており、各楽曲ごとに異なるアレンジやテーマが展開されています。特に「SPACE PARADISE」では、インターネットを通じて生まれた恋愛を描き、PVには個性的なアイデアが反映されています。

総括

『ELECTROMANCER』は、浅倉大介の音楽的革新性と、映像と音楽の融合を追求した意欲作です。このアルバムはただの音楽作品に留まらず、近未来的な視点を持ったコンセプトアルバムとしても高く評価されています。浅倉の挑戦的な姿勢が、この作品を特別なものにしているのです。

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