ELEVEN GRAFFITI
『ELEVEN GRAFFITI』（イレブン・グラフィティ）は、1997年7月2日に発売されたORIGINAL LOVE|Original_Loveの通算7作目のスタジオアルバムです。
前作『Desire』でルーツミュージックに接近したのに対し、本作では本格的な打ち込みを導入し、バンドサウンドとの融合を試みた初の作品となりました。このスタイルは、2000年リリースの『ビッグクランチ』まで継続されました。
田島貴男は本作について、「本当に久しぶりに、作って爽快な気分になった」と語っています。前作からの変化について、彼はインタビューで以下のように述べています。
『Desire』制作時まで、初期のオリジナル・ラヴの音楽を嫌悪していた。歌やギターのスキルが向上し、音楽的な進歩も感じていたため、過剰な気負いがあった。
『Desire』完成後、過去の音楽をフラットに見られるようになった。デビューアルバムの頃の音楽も含めて、客観的に評価できるようになった。
『Desire』は民族楽器の音色に強く影響され、過去でも未来でもない、普遍的なポップスを目指した。しかし、『ELEVEN GRAFFITI』では、現在に向けた音楽を作るべきだと感じた。
当時、音楽シーンは3ヶ月ごとに話題のミュージシャンが入れ替わる状況だったが、新しい音楽は生まれていないと感じ、混乱していた。その状況をアルバムのアレンジテーマとして表現しようとした。
音楽ジャンルの多様化により、アーティストが狭い範囲で音楽を制作している状況に疑問を感じていた。シンガーソングライターとしてのポップスを追求する中で、迷いがあった。
前作制作時は民族音楽に影響を受けていたが、今作制作時には新譜を多く聴き、現代の音楽状況を反映させた。
今作では、混乱をまとめようとするのではなく、そのまま表現することで、リスナーに自身の感情を伝えようとした。
また、歌詞の変化についても、田島は「（今回は）何か粗削りな感じだよね。ギザギザしているっていうか。『Desire』っていうのは、ストイックだったっていうか、言いたい言葉を選んでいたっていうか。例えば命だったら命みたいに、そういう言葉を直接使ったりとか。今回は詞を、自分の普段ふらふらしてて思い付いた言葉をダーッと並べて、その中から詞のイメージを涌かしていったりとか。そういうやり方っていうのは、今の僕にとっては凄くリアリティを持たせるやり方かもしれないなと思って」「今も同じ場所にいるとか、何も始まってないとか、そういう気持ちで作ってた」と述べています。
さらに、「今回のアルバムから何か始められそうな、そういう予感っていうか期待っていうか、そういうのが胸の中にわずかだけど涌いてきた感じがしますね。俺の中では何も変わってねーな、みたいなさ。そんな感じなんだよな」と、本作に対する期待感と、変わらない自己への認識を語っています。
「2分の路上駐車」と「机の上のファントム」は、演奏以外は田島のコーラスのみで歌詞がないインストナンバーです。「ティラノサウルス」は、LOVE T.K.O.によるリミックスバージョンとのカップリングでアナログ12インチとして、1997年9月から12月にかけて行われたコンサートツアー会場で限定販売されました。また、1998年リリースのシングル「ディア・ベイビー」のカップリングには、12月6日の渋谷クラブクアトロでのライブ音源が収録されたほか、ライブ映像がビデオ集『LOVE,SICK,DEVIL』に収録されました。さらに、「ティラノサウルス」と「ペテン師のうた」は、1999年リリースのライブ&リミックスアルバム『XL』にスタジオライブにて再録されました。
全曲 作詞・作曲・編曲：田島貴男
1. ティラノサウルス - (5:29)
2. ペテン師のうた - (3:47)
3. ビター・スウィート - (5:18)
4. アイリス - (5:28)
5. 2分の路上駐車 - (1:25)
6. ローラー・ブレイド・レース - (3:18)
7. アンブレラズ - (4:38)
8. 机の上のファントム - (1:55)
9. サーディンの缶詰め - (4:10)
10. GOOD MORNING GOOD MORNING - (3:47)
11. 踏みかためられた大地 - (5:04)
スタッフ
リリース日一覧
脚注
注釈
出典
Original Love|Original_Love Official Web Site
ELEVEN GRAFFITI – DISCOGRAPHY
Original-Love-Eleven-Graffiti - Discogs (発売一覧)
解説
前作『Desire』でルーツミュージックに接近したのに対し、本作では本格的な打ち込みを導入し、バンドサウンドとの融合を試みた初の作品となりました。このスタイルは、2000年リリースの『ビッグクランチ』まで継続されました。
田島貴男は本作について、「本当に久しぶりに、作って爽快な気分になった」と語っています。前作からの変化について、彼はインタビューで以下のように述べています。
『Desire』制作時まで、初期のオリジナル・ラヴの音楽を嫌悪していた。歌やギターのスキルが向上し、音楽的な進歩も感じていたため、過剰な気負いがあった。
『Desire』完成後、過去の音楽をフラットに見られるようになった。デビューアルバムの頃の音楽も含めて、客観的に評価できるようになった。
『Desire』は民族楽器の音色に強く影響され、過去でも未来でもない、普遍的なポップスを目指した。しかし、『ELEVEN GRAFFITI』では、現在に向けた音楽を作るべきだと感じた。
当時、音楽シーンは3ヶ月ごとに話題のミュージシャンが入れ替わる状況だったが、新しい音楽は生まれていないと感じ、混乱していた。その状況をアルバムのアレンジテーマとして表現しようとした。
音楽ジャンルの多様化により、アーティストが狭い範囲で音楽を制作している状況に疑問を感じていた。シンガーソングライターとしてのポップスを追求する中で、迷いがあった。
前作制作時は民族音楽に影響を受けていたが、今作制作時には新譜を多く聴き、現代の音楽状況を反映させた。
今作では、混乱をまとめようとするのではなく、そのまま表現することで、リスナーに自身の感情を伝えようとした。
また、歌詞の変化についても、田島は「（今回は）何か粗削りな感じだよね。ギザギザしているっていうか。『Desire』っていうのは、ストイックだったっていうか、言いたい言葉を選んでいたっていうか。例えば命だったら命みたいに、そういう言葉を直接使ったりとか。今回は詞を、自分の普段ふらふらしてて思い付いた言葉をダーッと並べて、その中から詞のイメージを涌かしていったりとか。そういうやり方っていうのは、今の僕にとっては凄くリアリティを持たせるやり方かもしれないなと思って」「今も同じ場所にいるとか、何も始まってないとか、そういう気持ちで作ってた」と述べています。
さらに、「今回のアルバムから何か始められそうな、そういう予感っていうか期待っていうか、そういうのが胸の中にわずかだけど涌いてきた感じがしますね。俺の中では何も変わってねーな、みたいなさ。そんな感じなんだよな」と、本作に対する期待感と、変わらない自己への認識を語っています。
「2分の路上駐車」と「机の上のファントム」は、演奏以外は田島のコーラスのみで歌詞がないインストナンバーです。「ティラノサウルス」は、LOVE T.K.O.によるリミックスバージョンとのカップリングでアナログ12インチとして、1997年9月から12月にかけて行われたコンサートツアー会場で限定販売されました。また、1998年リリースのシングル「ディア・ベイビー」のカップリングには、12月6日の渋谷クラブクアトロでのライブ音源が収録されたほか、ライブ映像がビデオ集『LOVE,SICK,DEVIL』に収録されました。さらに、「ティラノサウルス」と「ペテン師のうた」は、1999年リリースのライブ&リミックスアルバム『XL』にスタジオライブにて再録されました。
収録曲
全曲 作詞・作曲・編曲：田島貴男
1. ティラノサウルス - (5:29)
2. ペテン師のうた - (3:47)
3. ビター・スウィート - (5:18)
4. アイリス - (5:28)
5. 2分の路上駐車 - (1:25)
6. ローラー・ブレイド・レース - (3:18)
7. アンブレラズ - (4:38)
8. 机の上のファントム - (1:55)
9. サーディンの缶詰め - (4:10)
10. GOOD MORNING GOOD MORNING - (3:47)
11. 踏みかためられた大地 - (5:04)
クレジット
スタッフ
リリース日一覧
脚注
注釈
出典
外部リンク
Original Love|Original_Love Official Web Site
ELEVEN GRAFFITI – DISCOGRAPHY
Original-Love-Eleven-Graffiti - Discogs (発売一覧)
その他
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。