ELO2

『ELO2』は、1973年にエレクトリック・ライト・オーケストラ（ELO）が発表したセカンドアルバムです。アメリカでは『Electric Light Orchestra II』、または『ELO II』というタイトルでリリースされました。

概要

このアルバムは、演奏時間の長い楽曲が多く、プログレッシブ・ロックの要素を取り入れた意欲作として知られています。特に「クイアマ」は、ELOの楽曲の中でも最長の演奏時間を誇ります。

アルバムの制作中には、ロイ・ウッドがバンドを脱退し、ウィザードを結成するという出来事がありました。しかし、「イン・オールド・イングランド・タウン」と「フロム・ザ・サン・トゥ・ザ・ワールド」のチェロとベースは、ロイ・ウッドが演奏しています（クレジットはされていません）。

当初、アルバムのタイトルは『The Lost Planet』になる予定でした。このタイトルは、後に発売された30周年記念盤のディスク2のタイトルとして再利用されています。

収録曲

特記がない限り、全曲ジェフ・リンの作詞作曲です。

A面

1. イン・オールド・イングランド・タウン（ブギーNo.2) - "In Old England Town (Boogie No. 2)" – 6:56
ロイ・ウッドがチェロとベースを演奏しています。
2. ママ - "Momma" – 7:03
イギリス盤ではタイトルが"Mama"となっています。
3. ロール・オーヴァー・ベートーヴェン - "Roll Over Beethoven"– 8:10
チャック・ベリーのカバー。シングルカットされ、ELOの名を広く知らしめるきっかけとなったヒット曲です。アルバム録音以前からコンサートのレパートリーとして演奏されていました。
ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調作品67を大胆にイントロへ引用し、間奏には弦楽三重奏の多重録音を取り入れるなど、初期ELOの音楽性が強く打ち出されています。
この曲のレコーディング現場を訪れたジョージ・マーティンが、その大胆なアレンジに微笑みながら首を振ったというエピソードが残っています。

B面

1. フロム・ザ・サン・トゥ・ザ・ワールド（ブギーNo.1) - "From the Sun to the World (Boogie No. 1)" – 8:20
バラード、ロック、ブギウギの要素が組み合わさった楽曲。ロイ・ウッドがチェロとベースを演奏しています。このアルバムの中で唯一、ベスト盤『Afterglow』に収録されていません。
2. クイアマ - "Kuiama" – 11:19
ELOの楽曲の中で最も演奏時間が長い曲です。
歌詞は、戦場で親を亡くした少女と、その親を殺した兵士の対話を描いた物語で、ジェフ・リンの楽曲としては珍しく社会的なメッセージが込められています。シングルカットはされていませんが、多くのベスト盤に収録されています。

リマスター盤ボーナストラック

1. "In Old England Town (Instrumental)" – 2:43
2. "Baby, I Apologise" – 3:43
3. "In Old England Town (Take 1, Alternate mix)" – 6:56
4. "Roll Over Beethoven (Take 1)"– 8:15

演奏者

ジェフ・リン - ヴォーカル、ギター、モーグ
ベヴ・ベヴァン - ドラム、パーカッション
リチャード・タンディー - ピアノ、ハーモニウム、モーグ、ギター、コーラス
マイク・デ・アルバカーキ - ベース、コーラス
マイク・エドワーズ - チェロ
ウィル・ギブソン - バイオリン
* コリン・ウォーカー - チェロ

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