EXISTENCE

デーモン閣下『EXISTENCE』：新たなる音楽の探求

『EXISTENCE』（イグズィステンス）は、デーモン閣下がアリオラジャパンへ移籍後、初めてリリースしたオリジナルアルバムであり、通算7枚目の作品として、前作『MYTHOLOGY』から5年の歳月を経て発表されました。本作は、デーモン閣下の音楽的な進化と新たな試みが凝縮された意欲作と言えるでしょう。

多彩な才能との融合

本作の大きな特徴の一つとして、豪華な作家陣の参加が挙げられます。芥川賞作家の羽田圭介、小説家の長嶋有、漫画原作者の貴家悠といった、音楽以外の分野で活躍する才能が作詞を手がけており、デーモン閣下の世界観に新たな彩りを加えています。それぞれの作家が、デーモン閣下の音楽にどのような化学反応をもたらしているのか、歌詞を読み解くのも楽しみ方の一つです。

リリース記念企画とファンとの交流

アルバムのリリースを記念して、ニコニコ生放送での特別番組が配信され、デーモン閣下自らが生出演し、作品への思いや制作秘話を語りました。また、通信カラオケDAMとのコラボレーション企画として、「デーモン閣下×DAM 映像クリエイターコンテスト」が開催され、収録曲のミュージックビデオを一般から公募するという、ファン参加型の企画も実施されました。デーモン閣下自身が選んだ優秀作品は、公式ミュージックビデオとして認定され、カラオケDAMで配信される対象楽曲の背景映像として使用されるという、ファンにとってはたまらない企画となりました。

初回限定盤と通常盤

本作は、初回限定盤と通常盤の2種類が用意されました。初回限定盤には、CDに加えて、スペシャルトークイベントの応募券と、『ゴールはみえた』のミュージックビデオ、そしてデーモン閣下自身による作品解説を収録したDVDが付属しています。より深く作品を理解したいファンにとっては、初回限定盤は必携と言えるでしょう。

収録曲について

アルバムには、インストゥルメンタル曲「深山幻想記 序曲」を始め、全12曲が収録されています。

深山幻想記 序曲: 荘厳な雰囲気でアルバムの幕開けを飾るインストゥルメンタル。
ゴールはみえた: TBS系『ひるおび!』のエンディングテーマに起用された楽曲で、アルバムに先駆けてミュージックビデオが公開されました。
Forest Of Rocks: デーモン閣下自身が作詞・作曲を手がけた楽曲。
Just Being -ここにいる そこにいる-: 人生における存在意義を問いかけるような歌詞が印象的な楽曲。
Shibuya Scrambled Crossing: 渋谷のスクランブル交差点を舞台にした、疾走感あふれるナンバー。
地球へ道づれ！: 貴家悠が作詞を手がけた、メッセージ性の強い楽曲。
てふのやうにまひ: 美しい旋律と、儚い歌詞が織りなす、情感豊かな楽曲。
方舟の名はNoir: ブルボン小林が作詞を手がけた、独特の世界観を持つ楽曲。
深山幻想記 -能Rock-: 一噌幸弘との共作で、能の要素を取り入れた異色のロックナンバー。
Post Truth -青空が殺気立つ-: 現代社会の欺瞞を鋭く批判した、メッセージ性の強い楽曲。
Stolen Face: 羽田圭介が作詞を手がけた、人間の内面を描いた深遠な楽曲。
Heavy Metal Strikes Back -血まみれの救世主たち-: 仮面ライダーGIRLSに提供した楽曲のセルフカバー。

総評

『EXISTENCE』は、デーモン閣下の音楽的な才能と、様々なジャンルのクリエイターとのコラボレーションによって生まれた、バラエティ豊かな楽曲が収録されたアルバムです。デーモン閣下のファンはもちろん、新しい音楽を求めるすべての人におすすめできる作品と言えるでしょう。

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