アルバム『EXTREME BEAUTY』の概要
1995年2月22日にリリースされた『EXTREME BEAUTY』は、
吉田美奈子の通算13作目となるスタジオアルバムです。本作では、先行
シングル「BEAUTY」とカップリング曲「LIBERTY」のアルバムバージョンが収録されています。この作品は、前作『gazer』以来、5年の空白を経てのリリースとなるため、ファンにとっては待望の一作でした。
アルバム制作の背景
吉田美奈子は、5年の間にリリースが遅れた理由について、「人前に出ることが苦手で、ストレスを感じていた」と語っています。このインタビューでは、彼女が自身の名前が広まることに対しての気恥ずかしさや、レコード制作に伴う人との出会いによる緊張感について触れています。しかし、静かな環境で過ごすことで徐々に元気を回復していく様子を明かし、自身の心の平穏を保つための努力を続けていたと述べています。
新たなレコード会社との関係
『EXTREME BEAUTY』は、メジャーレコード会社MCAビクターからのリリースです。
吉田美奈子は、他のレコード会社とも話し合いを重ねていた中で、MCAの「声をテーマにしたアプローチ」に引かれ、契約を決定しました。彼女は、音楽活動において作詞、作曲、プロデュース、そして歌唱のすべてにバランスを持たせることの重要性を再認識し、歌を優先する姿勢に目覚めたと述べています。この変化は、彼女にとって音楽に対する新たな許しを得た瞬間とも言えます。
声を中心にした音楽表現
アルバムの制作にあたって、吉田は「声」をテーマに据え、多様な歌い方を模索しました。従来の作品とは異なり、全体の構成を意識することで、個々の楽器や声域が際立つような仕上がりが実現されたとのことです。このアプローチは、音楽を作り上げる中で新たな発見をもたらしました。
「LIBERTY」と山下達郎との共演
アルバム収録曲の一つである「LIBERTY」は、鈴木雅之への提供曲を
セルフカバーしたものです。また、注目すべきは山下達郎との久々の共演です。吉田と山下は13年ぶりに顔を合わせ、製作過程での楽しさを共有しました。彼女は、山下が音楽に真摯に向き合う姿勢を再確認できたと嬉しそうに語っています。
収録曲の一覧
アルバムには以下の楽曲が収められています:
- - VOICES (2'57")
- - BEAUTY (6'32")
- - MISTIC PARADISE (6'45")
- - COCO (5'04")
- - LIBERTY (4'18")
- - ANGELDUST (6'58")
- - SCENARIO (6'53")
- - STILL MOON (6'41")
- - 精霊の降りる街 (6'28")
- - 星の海 (4'26")
このアルバム『EXTREME BEAUTY』は、
吉田美奈子が自身の音楽を深く掘り下げ、声とその表現力を新たな視点から探求した作品です。彼女の音楽への真摯な姿勢と革新が感じられる一枚として、多くのリスナーに愛されています。