EbXML Core Components

ebXML Core Components (コアコンポーネント) について

ebXML Core Components（CC、コアコンポーネント、コア構成要素）は、企業間電子商取引における電子伝票の構成要素をモデル化したものです。これはebXML標準の一部であり、UN/CEFACTによって標準化が進められています。

背景と目的

企業間電子商取引では、業界や業務ごとに異なる伝票（例えば、注文書、請求書など）が用いられます。これらの伝票を構成する要素には、業務や業界を越えて共通で使用されるものがあります。例えば、「住所」という項目は様々な伝票に現れます。このような共通要素を抽出し、新たな伝票を設計する際に再利用できるようにすることが、コアコンポーネントの基本的な考え方です。

抽象的なモデル

コアコンポーネントは抽象的なモデルであり、XMLやEDIFACTといった具体的な構文からは独立しています。コアコンポーネントで設計されたモデルを実際にコンピュータで処理可能な形式にするには、何らかの規則に従って変換する必要があります。

例えばXMLの場合、XML設計規則（Naming and Design Rules）に基づいて、コアコンポーネントを元にしたXML Schemaを設計します。XML設計規則には、UN/CEFACT ATGによるものとOASISのUBL技術委員会によるものが公開されています。

コアコンポーネントの定義

コアコンポーネントのメタモデル、つまりコアコンポーネントという概念自体の定義は、Core Components Technical Specification（CCTS、コア構成要素技術仕様）に記述されています。CCTSはUN/CEFACT TMGが開発し、ISOによってISO/TS 15000-5として承認されています。

CCTSの主要概念

CCTSのメタモデルでは、Core Component（CC、コア構成要素）とBusiness Information Entity（BIE、ビジネス情報項目）という二つの概念が中心となります。

Core Component (CC): 特定の業務文脈に依存しない、抽象的な概念です（例：「住所」）。
Business Information Entity (BIE): CCを元にして、業務上の文脈を付加した概念です（例：「配送先住所」）。最終的にXMLの要素として表現されるのはBIEです。

したがって、コアコンポーネントの方式に従って業務伝票を設計する際には、既存のCCを元にBIEを定義することが中心となります。再利用可能なCCのライブラリは、UN/CEFACT Core Components Libraryとして公開されており、これは様々な業界から寄せられた情報項目を元に作成されています。

UMLとの対応

CCおよびBIEは、モデル要素のタイプによって細分化されます。これらのタイプは、UMLクラス図の構成要素と概ね対応させることができます。

Aggregate Core Component (ACC), Aggregate Business Information Entity (ABIE): UMLのクラスに対応します。
Basic Core Component (BCC), Basic Business Information Entity (BBIE): UMLクラスの属性に対応します。
Core Component Type (CCT), Data Type (DT): UML属性の型に対応します。
Association Core Component (ASCC), Association Business Information Entity (ASBIE): UMLクラス間の関連に対応します。

このような対応関係があるため、コアコンポーネントのモデルを図示する際には、UMLクラス図が頻繁に使用されます。

まとめ

ebXML Core Componentsは、企業間取引におけるデータ交換を効率化し、再利用性を高めるための重要な概念です。共通要素を抽出して再利用することで、システム開発やデータ連携のコストを削減し、標準化を促進することができます。

関連項目

Universal Business Language (CCTSに基づいたモデルのXMLによる実装)

外部リンク

Core Components Technical Specification Version 2.01
UN/CEFACT TMG
UN/CEFACT ATG

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