EpiVacCorona

EpiVacCoronaワクチンの概要

EpiVacCorona（エピバックコロナ）は、ロシアのベクター・インスティテュートによって開発されたCOVID-19ワクチンです。これはウイルス合成ペプチドから抽出されたフラグメントを使用しており、生きたウイルスを含まないため、人工的に作られたペプチドによって免疫応答を誘発することが目的とされています。

開発の経緯

2020年3月、ロシアの研究者たちは新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のワクチン候補のテストを開始しました。彼らは最も効果的な試作品を区別し、6月にその結果を発表する計画があったとされています。その後、動物実験が行われ、7月にはSARS-CoV-2ウイルスが72時間以内に常温の水中で死滅する可能性が示唆され、パンデミックに対するさらなる研究が進展しました。

承認とリリース

2020年10月14日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がEpiVacCoronaワクチンの承認を発表しました。このワクチンは、開発と研究の迅速さが話題となりましたが、その安全性や有効性については様々な意見が存在しています。

疑問と懸念

ロシア連邦消費者権利・人間福利保護管理庁（Rospotrebnadzor）は、EpiVacCoronaの有効性を100％としていますが、現在のところこのワクチンに関する試験結果の公表はありません。これにより、ジャーナリストや一般市民の間で疑問が浮上し、特に第III相臨床試験に参加した被験者からの懸念が寄せられました。複数の公開書簡で、抗体検査を受けた被験者の半数以上が陰性である一方、プラセボを投与された人数は全体の25%に過ぎなかったと主張しています。

また、ベクター・インスティテュートは、自社の検査システムでのみ抗体が検出できると述べていますが、その詳細については公にされていません。これは、透明性の欠如として問題視される要因の一つです。

EpiVacCoronaは2020年12月7日に特許を取得しましたが、著作権者の中にはロシア消費監督庁のトップの名前もあり、承認を行う組織としての利害が絡む可能性が指摘されています。

まとめ

EpiVacCoronaは、独自のペプチドを用いることで免疫形成を目指した革新的なワクチンですが、その効果や安全性については今後のデータ公開と研究に期待が寄せられるところです。特に、製品の評価に対する透明性の確保が求められており、感染症対策に対する社会の信頼を築くためには、さらなる検証が必要です。

もう一度検索