Ext2

ext2 (second extended filesystem) は、Linuxオペレーティングシステムにおいて広く利用されていたファイルシステムです。その名前は、初期のextファイルシステムを拡張したことに由来します。現在では、多くのLinuxディストリビューションが標準でext4ファイルシステムを採用していますが、ext2はかつて重要な役割を果たしていました。

ファイルシステムとしての特徴

ext2は、パーティションの上限が当初2GiBでしたが、Linuxカーネル2.4系では4TiBまで拡張されました。ファイル名は最大255バイトまで対応し、可変長のディレクトリエントリをサポートしています。また、ファイルシステムの一部領域はスーパーユーザー(root)用に予約されており、通常の領域を使い切った場合でもシステムのメンテナンスが可能です。

しかし、ext2にはジャーナリング機能が備わっていないため、システムがクラッシュした場合、ファイルシステムの復旧に時間がかかるという欠点があります。このため、ext3やReiserFSといったジャーナリングファイルシステムの普及が進みました。

歴史

Linuxの初期開発は、MINIX上でクロス開発されていました。そのため、初期のextファイルシステムがLinuxに採用されました。しかし、システム内部構造は16ビットであり、ファイルサイズの制限(最大64MiB)やファイル名の長さ(最大14文字)といった制約が残っていました。

その後、Linuxカーネルに新しいファイルシステムを追加するためのAPIが導入されました。このAPIを利用した最初のファイルシステムがextであり、1992年4月に公開され、Linux 0.96cに組み込まれました。改訂版のextはMINIXのファイルシステムの制約を解決しましたが、inodeとタイムスタンプのサポートはまだ不完全なままでした。

1993年1月、この問題を解決するためにxiafsとext2という2つの新しいファイルシステムが開発されました。ext2は、Berkeley Fast File Systemから多くのアイデアを取り入れ、それ以降、VFS APIの新規拡張を多く取り込み、テスト段階を経て改善されていきました。

最終的にext2は、4TiBのパーティションサイズと255バイトまでのファイル名長、可変長ブロックサイズをサポートするようになりました。

構造

ext2のファイルシステムは、ディスクのフラグメントを減らし、ディスクシークを最小化するためにブロックで分割されています。これらのブロックは、ブロックグループとして組織化されます。スーパーブロックは、OSの起動に必要な重要な情報を含んでいます。

まとめ

ext2は、初期のLinuxシステムで重要な役割を果たしたファイルシステムであり、その後のファイルシステムの進化に大きな影響を与えました。ext2は、ext3やext4といった新しいファイルシステムの登場によってその利用は減少しましたが、ファイルシステムの歴史を語る上で欠かせない存在です。

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