Ext3

ext3（third extended file system）は、Linuxで利用されるファイルシステムの一つです。ジャーナリングファイルシステムとして知られ、データの整合性を高めるための機能が備わっています。Linuxカーネル2.4.15から導入され、広く利用されてきましたが、Linuxカーネル4.3で削除されました。

ext3の特徴

長所

ext2との高い互換性: ext3はext2との互換性が非常に高く、ext2のパーティションをマウントしたままext3に変換できます。また、ext2としてマウントすることも可能ですが、その場合はジャーナリング機能は利用できません。
ジャーナリング機能: ext2にはないジャーナリング機能により、システムクラッシュ時などにおけるファイルシステムの破損を防ぎ、復旧時間を短縮します。
ディレクトリインデックス: 複数のブロックに跨るディレクトリに対して、ツリーベースのディレクトリインデックスを採用しています。
オンラインファイルシステムリサイズ: ファイルシステムのマウント中に、拡張のみですがリサイズが可能です。
高速なディレクトリ検索: `dir_index`オプションを使用すると、ハッシュ化されたB木（B-tree）を用いてディレクトリ内の検索を高速化できます。

短所

ext2との類似性: ext3はext2との互換性を重視して設計されたため、構造が似通っており、inodeの動的な割り当てや可変ブロックサイズなどの先進的な機能は搭載されていません。
fsckの制約: ファイルシステムへの書き込み中にfsckを実行することができません。
タイムスタンプ問題: 2038年問題により、2038年1月18日以降の日付に対応していません。この問題は、後継のext4で解決されています。

その他の特徴

圧縮

ext3では、非公式パッチの形で透過的な圧縮を使用することが可能ですが、標準機能ではありません。

比較

ext3は、改良が重ねられ、速度も向上してきましたが、ReiserFSやXFSなどの他のファイルシステムと比較すると、性能面で優れている点と劣る点があります。ただし、CPUリソースの消費は比較的少ないと言われています。

削除された経緯

Linuxカーネルからext3が削除されたのは、以下の理由からです。

ext3ファイルシステムドライバに対するワークアラウンドの必要性。
主要なディストリビューションがext4ドライバでext2およびext3を扱う設定で問題なく動作している実績。
ext3ドライバを削除しても互換性の問題が発生しないと判断されたこと。

これらの理由から、Linux 4.3でext3ファイルシステムドライバは削除されました。

まとめ

ext3は、Linuxにおける重要なファイルシステムでしたが、ext4の登場や技術的な制約により、その役割を終えました。現在では、ext4が主流となっていますが、ext3の知識は、ファイルシステムを理解する上で依然として重要です。

関連項目

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