F.50 (航空機)

ファルマン F.50 概要

ファルマン F.50は、第一次世界大戦後半にフランスのファルマン社によって開発された重爆撃機です。この機体は、フランス初の本格的な重爆撃機として位置づけられており、1918年に初飛行を果たしましたが、戦争の終結が近づいていたため、実戦での活躍には至りませんでした。

設計と構造

F.50は複葉の双発機で、特徴的な長大な主翼を持っています。エンジンは上翼と下翼の間に配置され、効率的な飛行をサポートします。円形の胴体は角型で、前方には開放式の操縦席が設けられています。また、爆弾は胴体と主翼の下面に懸架されるように設計されていました。この機体の生産は進みましたが、最終的に100機未満が製造され、第一次世界大戦中にはごく少数が部隊に配備されたに過ぎません。

戦後の運用

ファルマン F.50は、第1次大戦の終結後にフランス空軍で使用されましたが、早々に退役し、その多くが民間航空の旅客機として利用されました。フランス以外では、日本とメキシコに輸出されました。特に日本陸軍では、1921年にフランス軍から使用された中古のF.50を購入し、陸軍初の制式重爆撃機として陸軍航空学校に配備されました。

日本での導入

日本陸軍は、本格的な双発の大型爆撃機を望んでいましたが、フランスで手に入るのはF.50などの中古機しかありませんでした。そのため、1921年に5機のF.50を購入しましたが、実際に使用されたのは1機との資料もあります。この機体は「丁式一型爆撃機」と名付けられましたが、性能の低さやフランス軍からの老朽化した機体だったため、後にF.60基盤の「丁式二型爆撃機」が導入されると、早々に退役しました。

主要スペック

• - 全長：10.92メートル
• - 全幅：22.35メートル
• - 全高：3.60メートル
• - 全備重量：3,116キログラム
• - エンジン：ルローン8Db 275 hp×2
• - 最大速度：151 km/h
• - 航続距離：420 km
• - 武装：爆弾400kg、7.5mm機銃×2
• - 乗員：2～4名

ファルマン F.50は、多くの国々の爆撃機開発の中で重要な役割を果たした機体であり、その歴史的意義は単に性能にとどまらず、航空機産業の進展にも寄与しました。

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