F1レース (任天堂)

F1レース

概要

『F1レース』は、1984年11月2日に任天堂から発売されたファミリーコンピュータ用のカーレースゲームです。このソフトは、フォーミュラカーを操作して敵車をかわしつつ、制限時間内で規定の周回数をクリアするという内容になっています。本作はファミコン初のカーレースゲームであり、当時のゲームシーンに新たな風を吹き込みました。

プレイヤーは3つの難易度からスタートし、それぞれ1コース、3コース、6コースからゲームを開始できます。制限時間内に周回を進め、1周ごとに制限時間が延長される仕組みです。2周終了でそのコースがクリアとなり、5コース目に入ると制限時間がゼロになるまで走り続けます。また、コースアウトすると失速し、障害物と接触すると爆発しゲームが停止するため、慎重な操作が求められます。

開発の背景

このゲームは、後に任天堂社長となる岩田聡がハル研究所在籍時に関与したプロジェクトでもあります。ゲームの画面構成や隠し要素は、ナムコのアーケードゲーム『ポールポジション』から強い影響を受けました。当時としては先進的な技術を駆使し、ラスタスキャンラインを利用したコースのカーブ表現が行われています。さらに、特定の条件を満たすことでターボチャージ状態に移行し、最高速度がさらに上昇する裏技も存在します。

スタッフ

本作のスタッフには、エグゼクティブ・プロデューサーとして山内溥、プロデューサーとして上村雅之、プログラマーとして副島康成と岩田聡が名を連ね、音楽作成には金指英樹が関わっています。ゲームの開発には多くの才能が集結し、完成度の高い作品が誕生しました。

評価

ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』では、スピード感に評価があったものの、ゲームプレイの単調さを指摘しています。リリース後、ゲームは多くの愛好者に遊ばれ、カーレースジャンルの先駆けとしての地位を確立しました。

ゲームボーイ版

1990年11月9日には、ゲームボーイ用ソフトとして再登場し、初の4人用アダプタに対応したことから、最大4人で同時プレイが可能になりました。プレイヤーはコーナー重視のタイプAまたは最高速度重視のタイプBを選択でき、全14種類のコースを楽しむことができます。また、ゲームモードは「グランプリ」、「タイムアタック」、「マルチゲーム」の3種類から選べ、バラエティ豊かな楽しみ方を提供しています。

CMと印象

ゲームボーイ版のCMでは、『テン・リトル・インディアンズ』の替え歌に乗せてレーサーに扮したクリス松村が登場し、最大4人のプレイ風景をアピールしました。その印象的な歌詞が印象に残り、ゲームへの関心を一層高めました。

まとめ

『F1レース』は、ファミコン用ソフトとしてカーレースゲームの礎を築いた傑作であり、後に続くゲームの発展にも多大な影響を与えました。各世代のプレイヤーに親しまれ、現在でもその名を耳にすることが多いソフトとなっています。このように、『F1レース』はただのゲーム以上の価値を持つ作品であると言えるでしょう。

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