FAIRY TALE

倉木麻衣の3枚目のオリジナルアルバム『FAIRY TALE』は、2002年10月23日にGIZA Studioからリリースされました。このアルバムは、″おとぎ話″ をテーマに、倉木麻衣が子供の頃から抱いていた「夢を捨てるのが大人ならば、なりたくはない」という強い想いを込めたコンセプトアルバムとなっています。

制作にあたり、倉木麻衣はまずアルバムタイトルを決定し、そのテーマに沿って収録曲を選んでいくという方法を取りました。ライブ活動を通じてファンに早く新曲を届けたいという気持ちが強まり、音楽に対する情熱がより一層深まった時期の作品でもあります。20歳を迎えるにあたり、倉木麻衣は大人になるということは自分自身に責任を持つことだと考え、目的意識を持って20歳を迎えることの重要性をアルバムに込めたいと語っています。作詞においては、幼い頃に親しんだ絵本からインスピレーションを得て、おとぎ話のような幻想的な歌詞を多く取り入れています。

アルバム収録曲は、表題曲「Fairy tale 〜my last teenage wish〜」をはじめ、シーブリーズのCMソングとして親しまれた「Feel fine!」、全日本大学女子駅伝のテーマソング「Ride on time」、ゲーム『テイルズ オブ デスティニー2』のテーマソング「key to my heart」、アニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマ「Winter Bells」など、多彩な楽曲が揃っています。また、ツアータイトル曲として公開された「Loving You…」、ドラマ挿入歌「Can't forget your love」、童話 ″シンデレラ″ をモチーフにした「Not that kind a girl」、ドラマ「ダーク・エンジェル」テーマソング「Like a star in the night」など、聴きごたえのある楽曲が満載です。

「Fairy tale 〜my last teenage wish〜」は、″カボチャの馬車″ や ″毒リンゴ″ など、おとぎ話に登場するアイテムが歌詞に散りばめられた楽曲で、ハロウィンライブで披露されることが多い人気曲です。「Ride on time」と「key to my heart」のビデオクリップは、当時のバックバンドEXPERIENCEと共にライブ形式で制作され、臨場感あふれる映像が楽しめます。「Loving You…」のビデオクリップは、レコーディングスタジオで歌う様子が収録されています。「Not that kind a girl」は、少し大人びたい気持ちとまだ子供でいたい気持ちが入り混じる、複雑な心境を描いた楽曲です。

このアルバムは、台湾のCDチャートで1位を獲得し、これをきっかけに孫燕姿とのコラボレーションが実現しました。また、1stアルバム、2ndアルバムに続き100万枚以上の出荷を記録し、第17回日本ゴールドディスク大賞のロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー（邦楽部門）を受賞するなど、高い評価を得ています。

『FAIRY TALE』は、倉木麻衣の音楽に対する情熱と、夢を追いかけることの大切さを教えてくれる、聴きごたえのあるアルバムです。

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