FAKIN' POP

『FAKIN' POP』は、平井堅が2008年3月12日に発表した7枚目のオリジナルアルバムです。2005年のベストアルバム以来、約2年3ヶ月ぶり、オリジナルアルバムとしては2004年の『SENTIMENTALovers』以来、約3年3ヶ月ぶりの新作となりました。

平井堅自身が「今までで一番パーソナルな部分が出ている、物凄く濃いアルバム」と語るように、本作は彼の内面を深く掘り下げた作品となっています。コンセプトを特に設けず、「いい曲ばかりを入れようと思った」という言葉通り、バラエティ豊かな楽曲が収録されており、1曲1曲が聴きごたえのある内容です。

アルバムのジャケットは、桃色と黄緑色のフィルムを手に持ち、「POP」と「FAKE」を表現した平井堅の二面性のある表情が印象的です。この色彩コントラストは、同年5月からスタートしたコンサートツアー「Ken Hirai Live Tour 2008 "FAKIN' POP"」のグッズにも多く用いられました。ジャケットデザインはタイクーングラフィックスが担当しています。

収録曲は、シングルとしてリリースされた「POP STAR」、「君はス・テ・キ♡」、「君の好きなとこ」、「キャンバス」、「fake star」、「哀歌（エレジー）」、「バイマイメロディー」、「いつか離れる日が来ても」を含む全13曲。KANが楽曲提供及びプロデュースを手掛けた「Twenty! Twenty! Twenty!」も収録されています。亡き父親への想いを歌った「写真」は、JRAのイメージソングとして話題を呼びました。

参加ミュージシャンも豪華で、亀田誠治、冨田恵一、本間昭光、武部聡志など、日本の音楽シーンを代表するアレンジャーたちが楽曲を彩っています。また、ストリングスアレンジにも力が入れられており、弦一徹ストリングス、金原千恵子ストリングス、NAOTOストリングス、小池弘之ストリングスといった、名だたるストリングスチームが参加しています。

以下に主な収録曲とその解説を記載します。

POP STAR: フジテレビ系ドラマ『危険なアネキ』主題歌。亀田誠治が編曲を担当。
君はス・テ・キ♡: 平井堅が出演したリプトン・リモーネのCMソング。AKIRAが編曲を担当。
君の好きなとこ: 日本テレビ系ドラマ『演歌の女王』主題歌。亀田誠治が編曲を担当。
キャンバス: フジテレビ系ドラマ『ハチミツとクローバー』主題歌。冨田恵一が編曲を担当。
Pain: 平井堅と鈴木大の共作。亀田誠治が編曲を担当。
fake star: 明治製菓「Fran」CMソング。URUが編曲を担当。
UPSET: 平井堅が出演したNTTドコモ FOMA 「L705IX」CMソング。田中直が作曲・編曲を担当。
美しい人: 資生堂 「ELIXIR SUPERIEUR」 CMソング。「君の好きなとこ」のカップリング曲。中西康晴が編曲を担当。
哀歌（エレジー）: 東宝映画『愛の流刑地』主題歌。亀田誠治が編曲を担当。
Twenty! Twenty! Twenty!: J-WAVE開局20周年ソング。KANが作詞・作曲・編曲を担当。
バイマイメロディー: au 「LISMO」CMソング。本間昭光が編曲を担当。
いつか離れる日が来ても: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給映画『あの空をおぼえてる』主題歌。後にシングルカットされた。武部聡志が編曲を担当。
* 写真: JRA 2008イメージソング。亡くなった父親への想いを歌った楽曲。松浦晃久が編曲を担当。

『FAKIN' POP』は、平井堅の音楽的な幅広さと、内面的な深さを感じさせる、聴きごたえのあるアルバムです。

もう一度検索