FCブニョドコルは、
ウズベキスタンの首都
タシュケントに本拠地を置く、国内屈指の
サッカークラブです。その歴史は、
2005年7月6日に「建築者」を意味するクルフチ(Kuruvchi)として創設されたことから始まります。
創設と初期の躍進
クラブは大手ガス会社UzGazOilのスポンサーを受け、多くの
ウズベキスタン代表選手が所属するなど、創設当初から国内で注目を集める存在でした。
2007年には、ウズベク・リーグに昇格した初年度ながら2位という好成績を収め、翌年のAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得。その勢いは留まることを知らず、クラブは一気に国内強豪クラブへと成長を遂げました。
エトオ獲得未遂事件とクラブ名称の変更
2008年には、
FCバルセロナのスター選手であったサミュエル・エトオが、年俸4000万ユーロ(約68億円)でクルフチへ移籍合意したとの報道がありましたが、後にエトオがバルセロナに残留したことで、この移籍は実現しませんでした。同年の8月には、クラブ名を「創造者」を意味するFCブニョドコルへと変更しました。
名将たちの招聘
2008年9月には、ミルジャラル・カシモフが
ウズベキスタン代表監督に就任したことに伴い、ブニョドコルの監督を辞任。後任には、元日本代表監督の
ジーコが就任しました。さらに
2009年6月には、元ブラジル代表監督、元ポルトガル代表監督として知られる
ルイス・フェリペ・スコラーリが監督に就任するなど、クラブは世界的に有名な監督を次々と招聘しました。
国内リーグ無敗優勝
スコラーリ監督率いるブニョドコルは、
2009年シーズンにリーグ戦全30節を28勝0敗2分けという圧倒的な成績で終え、見事無敗優勝を達成しました。この記録は、クラブの歴史における輝かしい1ページとして刻まれています。しかし、2010シーズンにはスコラーリ監督が辞任、さらに
リバウドら外国人選手がチームを去るなど、チーム状況は変化を余儀なくされました。それでも、チームはウズベクカップとウズベクリーグで優勝を果たし、その強さを見せつけました。
その後の歩み
2011シーズンもリーグ優勝を果たすものの、翌2012シーズンにはFCパフタコール・
タシュケントに次いで2位となり、リーグ連覇記録は4で途絶えました。しかし、カップ戦では優勝を飾り、
AFCチャンピオンズリーグ2012では2度目のベスト4進出を果たしました。
ホームスタジアムの変遷
クラブ創設から
2008年のリーグ終了までは、MHSKスタジアムをホームスタジアムとして使用していました。
2009年からは、MHSKスタジアムの跡地に
ブニョドコル・スタジアムが完成するまでの間、10,000人収容のJARスタジアムをホームとして使用しました。そして、
2013年シーズンからは、
2012年9月28日に開場した
ブニョドコル・スタジアムをホームスタジアムとして使用しています。このスタジアムは、
2012年に
ウズベキスタンで開催予定であった
FIFA U-20女子ワールドカップの会場となるはずでしたが、同大会の開催国変更に伴い、使用されることはありませんでした。
タイトルと歴史
FCブニョドコルは、国内で数々のタイトルを獲得しています。
国内タイトル
ウズベキスタンリーグ:5回 (2008, 2009, 2010, 2011, 2013)
ウズベキスタンカップ:4回 (2008, 2010, 2012, 2013)
国際タイトル
なし
クラブは、多くの監督や選手を輩出し、その歴史を紡いできました。
歴代監督
マヴズルホジャ・ウマホジャエフ (2005-2006)
ミルジャラル・カシモフ (2007-2008, 2010-)
ジーコ (2008-2009)
アメト・メメト (2009)
ヒクマト・イルガシェフ (2009)
ルイス・フェリペ・スコラーリ (2009-2010)
主な歴代所属選手
パヴェル・ブガロ (2007-2010)
バフティヤール・アシュルマトフ (2007-2009)
セルヴェル・ジェパロフ (2008-2010)
ティムル・カパーゼ (2008-2010)
ウルグベク・バカエフ (2008-2009)
アンヴァルジャン・サリエフ (2008-)
イグナティ・ネステロフ (2009-)
ゴチュグリー・ゴチュグリエフ (2007-2010)
ホセ・ルイス・ビジャヌエバ (2008-2009)
リバウド (2008-2010)
デニウソン・マルティンス・ナシメント (2010)
デヴィッド・カーニー (2012)
佐藤穣 (2014-2017)
FCブニョドコルは、これからも
ウズベキスタンサッカー界を牽引するクラブとして、更なる活躍が期待されます。
外部リンク
PFCクルフチ オフィシャルサイト
FCブニョドコル オフィシャルサイト