FH-227 (航空機)

FH-227とは

FH-227は、オランダのフォッカー社が製造したF27フレンドシップという双発ターボプロップ旅客機を基に、アメリカのフェアチャイルド社がライセンス生産契約を結び、独自に改良を施した旅客機です。

開発の経緯

第二次世界大戦後、ダグラスDC-3の後継機として、ターボプロップ双発機が求められるようになりました。その中で、フォッカーF27は最も成功した機体の一つでした。フェアチャイルド社は、1957年にフォッカー社とライセンス契約を締結し、アメリカでの生産を開始しました。フェアチャイルド製のF-27は、1958年9月に初飛行し、フォッカー製の機体よりも早く路線に就航しました。また、フェアチャイルド製の機体は、機首部分がフォッカー製初期型よりも長く設計されていました。

その後、フェアチャイルド社は機体全長を延長し、搭乗定員を増加させた派生型であるFH-227を開発しました。
1973年までに、F-27とFH-227合わせて206機がアメリカで製造されました。

軍用機としての運用

フェアチャイルド社は、F-27をアメリカ空軍および海軍向けにC-138として売り込みましたが、採用には至りませんでした。しかし、後にアメリカ海軍が中古のF-27Aを1機購入し、1980年頃から1996年までパタクセント・リバー基地で運用しました。この機体には、国防省による正式な名称はありませんでしたが、非公式にUC-27と呼ばれていました。また、ウルグアイ、ペルー、ミャンマーなどの空軍もFH-227を運用しました。

悲劇的な事故

FH-227は、1972年10月13日にアンデス山脈で発生したウルグアイ空軍機571便遭難事故（通称：アンデス航空機事故）でも知られています。この事故は、生存者が72日間もの間、雪山で生き延びたという過酷な状況と、彼らの生存をかけた極限状態での行動が大きな話題となりました。

スペック (FH-227E)

乗員: 2名
乗客: 52名（座席ピッチ79cmの場合）
全長: 25.50m
全幅: 29.00m
高さ: 8.41m
翼面積: 70.0平方メートル
機体重量: 10,398kg
最大離陸重量: 20,600kg
エンジン: ロールス・ロイス ダート Mk532-7Ls ターボプロップ双発 2,300shp (1,715kW) x 2

関連項目

旅客機の一覧

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