FISM

FISM（フィズム）とは

FISM（フィズム、International Federation of Magic Societies）は、マジックを愛する世界中の多くの団体が加盟する国際的な連合体です。この組織は、マジック文化の交流や発展を促進することを目的としており、1937年にフランスで提案されましたが、第二次世界大戦の影響で設立が遅れ、1948年にスイス・ローザンヌで正式に加入団体が立ち上がりました。今日、43カ国に及ぶ83の団体が所属しており、FISMに名を連ねるマジシャンは全世界で50,000人を超えています。

FISMは、マジック芸術の振興を目指し、各国の多様なマジック文化の交流を重視しています。3年ごとに開催される「FISMマジック世界大会」は、その象徴的なイベントであり、マジシャンにとっては名誉ある舞台となっています。

FISMの構造

FISMは、各大陸別に組織を編成していることが特徴で、現在はアフリカ、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、北米、オセアニアの地域に分かれて活動しています。これにより、国際的な活動やマジシャンの交流がさらに活発化しています。アジア地域には「FISM ASIA」という地域組織があり、この地域でのマジシャンが国際大会に参加するためには、まずFISM ASIAが運営する「ACM（Asian Championships of Magic）」に出場する必要があります。

世界大会

FISMの世界大会は、初回が1948年のスイス・ローザンヌで開催され、以降毎年開催される予定でしたが、1955年以降は3年に1度の開催に変更されました。この大会は「マジック界のオリンピック」とも称されるほどの規模と権威を持つイベントであり、毎回、世界中から100～150組のマジシャンが出場します。

大会では、ガラ・ショーも行われ、そこで演技を披露することはマジシャンにとって大きな名誉です。入賞を果たすことができれば、マジシャンとしての名声を確立することができるため、コンテストのレベルは非常に高く設定されています。

審査基準

大会の審査は非常に厳格で、以下の6つの観点から評価されます。
1. テクニカルスキル（技術）
2. ショーマンシップ（演出・プレゼンテーション）
3. エンターテインメントバリュー（楽しさ）
4. アーティスティックインプレッション（構成）
5. オリジナリティー（独創性）
6. マジックアトモスフェア（マジックの雰囲気）

これらの基準を用いて、上記の観点から総合的に評価されます。

日本のFISMへの参加

日本はFISMにおいて重要な役割を果たしており、1973年に八田加寿雄が初めてコンテストに参加しました。その後、日本からも多くのマジシャンが世界大会に出場し、1994年にはFISM横浜大会が開催され、これはヨーロッパ以外の地域で初めての開催となりました。この大会では1,300人以上が登録して参加し、約8,000人がストリートマジックを観覧しました。

FISMの評価基準に注目し、コンテストに参加できることはファイナリストとしての証となり、この大会での成功が各マジシャンのキャリアに与える影響は計り知れません。心に響くパフォーマンスを披露し、名声を得るために、参加者は切磋琢磨し続ける必要があります。FISMの活動を通じて、国際的なマジックの未来がさらに輝かしい発展を遂げることが期待されています。

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