FJ-1 (航空機)

FJ-1 フューリー

FJ-1フューリー（英: North American FJ-1 Fury）は、アメリカ海軍が初めて運用した艦上戦闘機のひとつであり、ノースアメリカン社によって開発されました。この戦闘機は、試作機のNA-134及びNA-135、そして量産型のNA-141と呼ばれ、それぞれの設計はアメリカの航空技術を反映しています。特にFJ-1は、後のFJ-2以降の型がアメリカ空軍のF-86セイバーを基にしているのとは異なり、独自の設計を有していました。

設計と開発

FJ-1の開発は1944年に始まり、同年に設計指示が出されました。この機体はターボジェットエンジンを1基搭載しており、直線翼と前輪式の着陸装置を備えていました。そのデザインはP-51 マスタングの要素が多く取り入れられ、当時の航空技術の最先端を代表するものでした。XFJ-1の初飛行は1946年9月に行われ、翌年には生産型が航空母艦「ボクサー」に配備され、ジェット機の運用の新たな道を開くことになりました。

FJ-1は搭載されたターボジェットエンジンの特性上、混雑した飛行甲板での発艦には課題がありました。カタパルト装置がない状態での発艦は技術的に非常に困難で、燃料消費が大きいため、航続距離も限られていました。ジェットエンジンの効率が悪いため、この時代の設計では低速域での運用に難がありました。しかし、それにもかかわらず、航空母艦での運用の可能性を示す重要な機体となりました。

経歴

量産型のFJ-1は最初の発注に基づき100機の生産が計画されましたが、実際には30機のみが製造され、その後VF-5A（後のVF-51）によって運用されました。1949年まで航空母艦「ボクサー」での任務を続け、最終的にはF9F-3パンサーに取って代わられる形で退役しました。この機体の運用中、特筆すべき出来事として1948年のジェット機向けのベンディクス・トロフィー・レースでのVF-51の優勝があり、7機のFJ-1が参加して他の機体を抑えて上位を独占しました。

各型

• - XFJ-1: 試作機で、3機が製作されました。シリアルは39053から39055。
• - FJ-1: 量産型で、30機が製作されました。シリアルは120342から120371。

主要な仕様

• - 乗員: 1名
• - 全幅: 11.63 m （38 ft 2 in）
• - 全長: 10.49 m （34 ft 5 in）
• - 全高: 4.52 m （14 ft 10 in）
• - 翼面積: 20.53 m² （221 ft²）
• - エンジン: アリソン J-35-A-2 ターボジェット（推力 4,000 lb）× 1基
• - 空虚重量: 4,011 kg （8,843 lb）
• - 全備重量: 7,092 kg （15,600 lb）
• - 最高速度: 879 km/h （546 mph）
• - 離陸時上昇率: 毎分 1,000 m（3,300 ft）
• - 上昇限度: 9,750 m （32,000 ft）
• - 航続距離: 2,414 km （1,500マイル）
• - 武装: 12.7 mm 重機関銃×6

このように、FJ-1フューリーはアメリカ海軍におけるジェット機運用の先鞭をつけた重要な存在であり、航空技術が急速に進展した1940年代後半の象徴的な機体として位置づけられています。

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