FLOWERS (ゲーム)

FLOWERS -百合ミステリーADV- 作品概要

Innocent Greyが開発した、全4部作からなるミステリーアドベンチャーゲーム『FLOWERS』。春夏秋冬、季節ごとに発売された各章と、それらを収録した『FLOWERS -Les quatre saisons-』が存在します。舞台は全寮制のミッション系女学院。少女たちの恋愛や友情、そして青春が繊細に描かれる、全年齢対象の百合作品です。

ゲームシステムと特徴

基本的なシステムは、チャプター形式のアドベンチャーゲームです。主人公・白羽蘇芳の思案する様子は、吹き出しとして表現されるなど、彼女の内面を丁寧に描写する演出が特徴的です。Innocent Greyの過去作品とは異なり、一般向けの作品となっており、18禁版は発売されていません。残酷な描写もなく、未成年者でも安心してプレイできる内容です。開発スタッフのコメントによれば、本作は少女たちの心の繋がりを重視しており、『マリア様がみてる』から影響を受けているとのことです。PSPおよびPS Vitaへの移植版では、スクリーンショット機能やタッチ操作への対応などが追加されています。

ストーリー

物語の中心となるのは、聖アングレカム学院という女子校で展開される出来事です。学院には、生徒同士が「アミティエ」と呼ばれる制度を通して擬似的な友情関係を築き、共に学園生活を送るというシステムが存在します。

春篇では、心の傷を癒すため学院に編入した蘇芳を中心に物語が始まります。

夏篇では、蘇芳と恋人関係にあった匂坂マユリが学院を去り、新たなアミティエとなる考崎千鳥が登場します。学院では、うさぎがいなくなるといった不可解な事件が発生し、えりか、千鳥、そして蘇芳は、事件解決に奔走します。

秋篇では、マユリの行方を捜す蘇芳の姿が描かれ、八代譲葉という生徒が蘇芳に手助けをします。

冬篇では、蘇芳は幾多の困難を乗り越え、ついにマユリと再会を果たしますが、思いもよらぬ別れを告げられます。

登場人物

登場キャラクターは、花にちなんだ名前が付けられています。各章のタイトルロゴ背景には、主要人物を象徴する花々が描かれています。

白羽蘇芳（しらはねすおう）:主人公。おとなしい性格だが、友人を求める気持ちは人一倍強い。
匂坂マユリ（こうさかまゆり）:蘇芳のアミティエ。社交的だが、悩みを隠す一面も持つ。
花菱立花（はなびしりっか）:蘇芳のアミティエ。クラス委員長を務めるしっかり者。
八重垣えりか（やえがきえりか）:車椅子の少女。人間嫌いだが、鋭い洞察力を持つ。夏篇の主人公。
沙沙貴苺（ささきいちご）、沙沙貴林檎（ささきりんご）:双子の姉妹。性格は正反対だが、料理部所属。
小御門ネリネ（こみかどねりね）:ニカイアの会副会長。明るく社交的な性格。
八代譲葉（やつしろゆずりは）:ニカイアの会会長。エキセントリックな性格。
ダリア＝バスキア:学院の教師。修道女。
考崎千鳥（たかさきちどり）:夏篇から登場。えりかのアミティエ。芸術家肌の変わり者。

その他にも魅力的なキャラクターが多数登場します。

用語解説

聖アングレカム学院:物語の舞台となる女子校
アミティエ:学院の生徒同士が組む、擬似的な友情関係の制度
ニカイアの会:学院の生徒会
七不思議:学院に伝わる7つの怪異現象。物語の重要な鍵を握っています。

制作スタッフ

総監督・原画：スギナミキ
シナリオ：志水はつみ
プログラム：公魚
* 音楽：MANYO（Little Wing）

関連商品

サウンドドラマCD、ファンブック、画集、小説版、サウンドトラックなどが発売されています。

受賞・評価

春篇は週刊ファミ通新作ゲームクロスレビューシルバー殿堂入りを果たすなど、高い評価を得ています。しかし、推理パートのヒント不足や衝撃的な結末など、様々な意見も寄せられています。

まとめ

『FLOWERS』は、美しいグラフィックと音楽、そして魅力的なキャラクターたちが織りなす、繊細で奥深い百合ミステリーです。少女たちの心の繋がり、青春、そして謎解きといった要素が複雑に絡み合い、プレイヤーを惹きこむ作品となっています。全年齢対象の作品であるため、幅広い層のプレイヤーに楽しめる作品でしょう。

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