FM Radio Shopping

『FM Radio Shopping』（エフエム・ラジオ・ショッピング）は、かつてジャパンエフエムネットワーク（JFNC）が制作し、日本各地のFM放送局で展開されていたラジオショッピングプログラムです。この番組の最大の特徴は、株式会社総通が運営する「日本直販」の商品のみを取り扱っていた点にあります。広告主である日本直販が企画・選定した商品を放送に乗せる形で、放送局側が独自に商品を選んだり番組内容に深く関与したりすることは基本的にありませんでした。

番組の形態と進行

『FM Radio Shopping』は、多くの地域ではJFNCが制作するワイド番組に内包される形で放送されていました。具体的には、朝の時間帯は『OH! HAPPY MORNING』、月曜日から木曜日の昼枠および夕方枠は『flowers』、そして金曜日の昼枠は『FRIDAY GOES ON!』といった人気番組のコーナーとして組み込まれていました。金曜日の夕方枠は、『flowers』が放送されないため独立した時間帯でオンエアされる局もありました。

番組の進行役は、内包されるワイド番組を担当するディスクジョッキー（DJ）と、商品を紹介するショッピングキャスターの掛け合いが中心でした。商品の詳細な説明や価格提示はショッピングキャスターが行いますが、問い合わせや申し込みのためのフリーダイヤル番号のアナウンスは、番組のDJが担当するというスタイルが特徴的でした。当初はメロディに乗せて歌う形式のフリーダイヤル案内でしたが、後にBGMに乗せてDJが読み上げる形式へと変更されています。

放送時間は、JFNC発の場合、平日午前10時台、午後2時台、そして午後3時台にそれぞれ5分程度の枠が設けられていました。ただし、各放送局の自社制作番組編成などの都合により、JFNCからの同時ネットではなく時差ネットになったり、全く放送されない地域もあったりと、その態様は多様でした。祝日や年末年始（12月29日から1月3日）は放送が休止されるのが通例でした。

出演者

番組の進行を担ったDJは、内包番組の担当者がそのまま務めました。番組終了時点では、『OH! HAPPY MORNING』を井門宗之、森一丁、小谷大輔が、『flowers』を松本英子、Chigusaが、『FRIDAY GOES ON!』を斉藤リョーツが担当しており、彼らがショッピングコーナーも進行しました。金曜夕方の独立枠は井門宗之が担当していました。過去には坂本咲子、山川牧、小川もこ、磯野貴理子、斉藤リョーツなど、多くの著名なDJがこのコーナーに関わっています。

一方、商品の紹介を担当するショッピングキャスターは、番組終了時点では長瀬真（月～水）と堀越美穂（水～金）が務めていました。過去には福田幸子（キャサリン福田）、本多慶子、池田めぐみなど、複数のキャスターが登場しました。尺が短く、多くの情報を伝えなければならないため、ショッピングキャスターが早口になることも少なくありませんでした。

番組の終焉とその後

実質的な広告主である総通が2012年11月に民事再生法の適用を申請した後も、番組は一定期間放送が続けられましたが、2012年12月27日をもって終了しました。最終回の放送は木曜日だったため、DJは森一丁とChigusa、ショッピングキャスターは長瀬真が務めました。番組末期には、放送終了後に提供クレジットが流れる形式が取られていました。

『FM Radio Shopping』の放送枠自体は、その後もラジオショッピングの枠として継続されています。2013年1月以降、多くの地域では後継番組として『はぴねすくらぶラジオショッピング』が始まり、さらに現在は『JFNラジオショッピング』へと引き継がれています。

一部のJFN系列局では、『FM Radio Shopping』という名称は使わず、独自の番組タイトル（例: AIR-G'の『AIR-G'ショッピングラディ・メルカート』、FM FUKUOKAの『トクセン! FMラジオショッピング』など）に変更して放送を続けていましたが、後に多くは終了しました。しかし、FM FUKUOKAやFM-NIIGATAなど一部の局では、現在も形を変えながら日本直販などのラジオショッピングが続けられています。これらの局では、JFNC制作枠とは異なり、自社番組のDJとショッピングキャスターが掛け合う形で進行することが共通点として挙げられます。

また、JFN非加盟局においても、日本直販提供によるラジオショッピングが放送されている例があります。首都圏ではNACK5が『FM Radio Shopping』という同一タイトルで、ベイエフエムが『Radio Pro Shopper』として、ラジオ日本が『ラジオ日本特選ラジオショッピング』として、それぞれ独自の制作ながら同じ商品・電話番号で放送していました。特にNACK5では、JFNC制作の『FM Radio Shopping』終了後も独自制作版の放送が続けられています。TBSラジオでも、かつてワイド番組内で日本直販の商品を紹介するコーナーを持っていました。

『FM Radio Shopping』は、一時期全国のFM局で日常的に耳にすることのできたラジオショッピングであり、多くのDJやショッピングキャスター、そしてリスナーに記憶されています。その役割は後継番組に引き継がれ、ラジオ媒体におけるショッピングの形は現在も続いています。

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