FOCUS

FOCUS（フォーカス）

写真週刊誌「FOCUS」は、1981年10月23日に新潮社から創刊された、日本初の本格的な写真週刊誌のひとつです。この雑誌は、単なる記事の執筆にとどまらず、多くの写真を使った新しいジャーナリズムのスタイルを確立しました。その内容は、一般的なメディアが扱わない事件やニュースの裏側を鋭く切り取り、特に有名人に関する情報や事件を中心に、様々な話題を提供しました。

「FOCUS」は、当初は芸術性を重視した写真を掲載することを目指していましたが、結果的に張り込み取材や突撃取材を導入し、より衝撃的な内容で読者の関心を引くようになりました。これにより、販売部数は一時期ピークを迎え、週200万部を超えるほどの人気を誇りました。この時期には「フォーカスされる」といった流行語も生まれ、一大ブームを巻き起こしました。

同誌が取り扱った内容の中には、政治的な事件が多く含まれており、特にロッキード事件を巡る田中角栄元首相の法廷撮影などが有名です。また、1997年の神戸連続児童殺傷事件では、犯人の通称「少年A」の顔写真を掲載し、法務省からの要請を受けて物議を醸しました。このような大胆な取材は時に法律的な問題を引き起こし、他のメディアとの対立の原因にもなりました。

一方で、「FOCUS」はその取材手法の中で、警察の不祥事や社会問題を追及する成功例も持っています。特に桶川ストーカー殺人事件においては、同誌の記者が警察よりも早く犯人を特定し、警察の捜査怠慢を暴いたことが記憶に残ります。

「FOCUS」はその後も数々のスキャンダルや事件を報じることで注目を集めましたが、次第に他の雑誌やメディアに模倣されるようになり、飽きられる傾向が強まりました。1990年代後半には部数が急減し、累積赤字が増大しました。最終的に、2001年8月7日発売の号をもって休刊し、通巻1001号の発行を終えました。休刊後は、2002年から2004年の間に年1回の増刊とし、また2011年4月には震災を題材にした特別号が発行されました。

その編集内容については、他の類似作品が続々と登場し、特に「FRIDAY」や「FLASH」などが同様のスタイルで競合しました。これらの雑誌は、異なるアプローチを取るものの、FOCUSが築いたスタイルを事実上模倣しました。

最後に、「FOCUS」は創刊以来の累計発行部数が7億1886万5685部にも及ぶという、驚異的な記録でも知られています。その遺産は今もなお、多くの雑誌に影響を与えているのです。

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