FROM TOKIO TO TOKYO

FROM TOKIO TO TOKYO

「FROM TOKIO TO TOKYO」は、日本の伝説的な音楽グループ、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の1980年に行われた2度目の世界ツアーの名称である。このツアーは、一般には「第2回ワールド・ツアー」とも呼ばれ、YMOが残した重要な足跡の一つとされている。このツアーは、YMOにとって最後の世界ツアーであり、特にそのスタイルと演出が後の音楽シーンに多大な影響を与えた。

ツアーの概要

YMOの正式なツアー名は「YELLOW MAGIC ORCHESTRA WORLD TOUR '80」。この名の通り、世界各国を巡回し、ユニークなパフォーマンスを披露した。このツアー期間中の彼らの衣装は、学生服をモチーフにした独特なデザインであった。白地のシャツには「ymo」の文字が赤字で施され、黒のズボンと赤いバンダナを身にまとい、そのスタイルはファンの間で一目でYMOと認識されるものであった。

ステージ演出の配慮

このツアーでは、特にドイツ公演において配慮が必要であった。ナチスの象徴を連想させる演出が懸念されたため、演奏中の動作や装飾品に制限がかかった。具体的には、「腕に赤いバンダナを巻く」といった演出や「左腕を掲げる」といったパフォーマンスが自粛された。

各ステージでは、メンバーが学生帽までも取り入れた衣装を着用し、迷彩柄のシャツや再び赤いバンダナを取り入れるなど、さまざまなスタイルで演奏を行った。特に視覚的なインパクトと音楽の融合が求められたこのツアーでは、彼ら独自のスタイルが際立っていた。

特別イベントと中止公演

特筆すべきは、1980年11月7日に行われたロサンゼルス公演である。この公演は特設ステージから衛星中継され、帰国後にはフジテレビにて放送された。特に「東風」の演奏中には、三宅一生の1981年コレクションに関連するファッション・ショーが同時に行われ、視覚と音楽が交錯した素晴らしいイベントとなった。

しかし、このツアーの中には中止となった公演も存在した。11月15日のフィラデルフィア公演と11月16日のボストン公演は、何らかの理由により実施できなかった。

音源と歴史的影響

このツアーの演奏は後にアルバム『ワールド・ツアー1980』としてまとめられ、YMOの躍動的なパフォーマンスを多くのファンに届けた。また、武道館での演奏もライヴ・アルバムとして録音され、同様に評価されている。さらにVHSやLD、DVDとしても様々な形式で登場し、YMOの音楽とパフォーマンスを耳にする機会が提供され続けている。

このツアーには、サポートメンバーとして松武秀樹、矢野顕子、大村憲司も参加し、YMOの楽曲にさらなる彩りを加えていた。YMOはこの「FROM TOKIO TO TOKYO」で魅せる独自の音楽スタイルや演出を確立し、音楽シーンにおける重要な位置を占めることとなった。

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