Far Eastern Wind

Far Eastern Wind（ファー・イースタン・ウィンド）

「Far Eastern Wind」は、小室哲哉による2008年のコンセプト・アルバムシリーズであり、その独特な音楽スタイルが特徴的です。このシリーズは2月から9月にかけて順次リリースされ、最終的に「Far Eastern Wind -Complete」という形で再構成されました。このアルバムのリリース元は、配信盤ではTKCOMとSyn Songsの共同配信、CD盤ではavex traxが担当しています。

構成

アルバムシリーズは以下のような構成になっています。
1. Far Eastern Wind - Winter（2008年2月13日）
2. Far Eastern Wind - Spring（2008年3月5日）
3. Arashiyama（2008年4月30日）
4. Far Eastern Wind - Summer（2008年7月23日）
5. Far Eastern Wind - Autumn（2008年9月10日）
6. 五常（2012年3月28日）
- この曲は「Far Eastern Wind」Complete形態に収録され、総長は73分に及びます。

解説

「Far Eastern Wind」の創造の背景には、KEIKOの実家近くにある寺での演奏が影響を与えました。これにより「新しい音色を見つけたい」というインスピレーションを受け、その結果としてアルバムが生まれました。特に、Pro Toolsを用いた即興演奏スタイルが採用され、唯一「Arashiyama」のみ、既に完成された映像に合わせる形で制作されました。

小室自身は、キース・ジャレットの「ザ・ケルン・コンサート」にも影響を受けており、ブライアン・イーノへの憧れを持ちながら制作を進めました。また、彼の特徴的な音楽スタイルは、一般的な音楽の“ポップでフックがあって耳に残る”という概念とは正反対で、より“耳に残らない、自然で生活の一部となる音色”を追求しています。これにより、音楽は生活の環境に溶け込み、非常に心地よい雰囲気を醸し出します。

2008年には、iTunes Storeを通じて配信限定で全世界同時発売され、シンセサイザーとしてVirus Indigo TI PolarやNord Lead 3が主に使用されました。

2012年3月28日には、デジタルリマスタリングが施されたCD盤がリリースされ、さらに「Far Eastern Wind -Complete-」や「Far Eastern Wind -Spring / Summer-」、「Far Eastern Wind -Autumn / Winter-」の3形態が存在します。これにより、より多くのリスナーにこのユニークな音楽が届けられることとなりました。

共通スタッフ

このアルバムの制作には、以下のようなスタッフが関与しました。

• - レコーディングエンジニア、ミキシング、プログラミング：岩佐俊秀・佐竹央行（佐竹はクレジット未記載）
• - マスタリング：前田康二
• - ジャケットデザイン：原田大三郎（配信盤担当）

「Far Eastern Wind」は、独自の音楽的アプローチにより多くのリスナーの心をつかみ、その後の小室哲哉の音楽活動における重要な作品となりました。

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